カケス  06.03.22    
どんぐり好きの道化者



 南但馬自然学校で秋から春にかけて、よく見られるのがこのカケスです。彼らは渡り鳥ではありませんが、秋になると朝来山から下りてきて、自然学校がある標高300メートル付近で春まで過ごし、春になると山の上に移動し生活します。

 あれは雪の朝来山に出かけたときのことです。中腹辺りまでたどり着いたときに「ミャーォ」といきなりネコの声がします。しかしここは山の中、しかも雪山です。ネコなんているはずがありません。私があっけにとられていると、カケスがひょっこり姿を現し「やーい、だまされてやんの」と言わんばかりに、彼本来の声で「ジェー」と一鳴き、山奥に飛び去りました。
 すっかりだまされてしまいましたが、おどけた姿が憎めません、私はそんなカケスがお気に入りです。

 カケスはこんなにきれいな羽を持っていますが、カラスの仲間です。食べ物はカラスの仲間だけに、柿の実やカエルなど何でも食べますが、大好物はどんぐりです。
 こちらは大きなクリを見つけたようです。口いっぱいにクリを頬張り飛び立とうとしています。

 カケスたちはどんぐりがたくさんある秋の間に、食べ物が少なくなる冬に備えて、どんぐりを地面のいろんな場所に隠しておく習性があります。ところが隠した場所を忘れてしまうことがあるらしいのです。忘れられたどんぐりは芽を出し、やがてどんぐりを実らせる大きな木になります。自然の仕組みって素晴らしいと思いませんか・・・?

文責 増田 克也

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