ギンリョウソウ  06.05.30
竜か馬か? 謎の生物!?



 本館近くのアラカシの生け垣の下に、白い奇妙な形をした生物が出現しました。これはいったいなんだ!?謎の白い集団は見れば見るほど変わった形をしています。

 この白いものは“ギンリョウソウ”という立派な植物です。私は南但馬自然学校でギンリョウソウと出会ったのはこれで4度目です。これまではすべて朝来山の高いところでしたが、今回は本館からキャンプ場に続く、こんなに身近な小径にひょっこり現れたのでびっくりしました。
 
 ギンリョウソウの名前の由来は、銀色をした竜のような形をしていることからきているようですが、今回のものは、じっ〜と見つめていると、竜と言うより白馬に見えてきました。アップにした写真を見てください。どうですか、やっぱり白馬でしょ?
 白馬の馬面を下からのぞいてみると、なんと黄色いおしべと青いめしべが見えるではありませんか。白馬の鼻面に見える部分は花だったんですね。

 ギンリョウソウは葉緑素を持たないので、こんなに神秘的な白い色をしています。そのため光合成もしていません。「じゃあ養分はどこから?」不思議になりますね。実は自分自身に寄生している菌から栄養をもらっているそうです。このような植物の仲間を「腐生植物」と言います。ギンリョウソウは何から何まで変わり種の植物ですね。

 むささびコースでは、ギンリョウソウの仲間で腐生植物の「ツチアケビ」もそろそろ顔を出すころです。これからは奇妙な植物がいろいろ見られますよ。この時季、楽しみはつきませんね。

文責 増田 克也

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