アカタテハ 07.09.25




生垣は大にぎわい



 南但馬自然学校にはサザンカやシラカシなど、たくさんの生垣があります。先週から、やがて来る冬に備えて生垣の補強作業が始まりました。大きな杭に竹を縛りつけ丈夫な竹垣を作り、それにシラカシを1本1本くくりつけていきます。これで雪が積もっても大丈夫。生垣のシラカシたちも、さぞ安心していることでしょう。
 シラカシの他にもこの作業を心待ちにしているものがいます。それは、不要な枝を払ったり、何かの拍子に樹皮が傷ついた所から染み出す樹液を目ざとく嗅ぎつけてやって来る昆虫たちです。それでは、シラカシの樹液に集まって来た昆虫たちを紹介しましょう。

 複雑な飛び方でいきなり枝にとまったのは、身体の割りに目が大きくみえる“ウラギンシジミ”です。名前のとおり羽の裏面がまっ白なかわいらしい蝶です。
 今度は“ヒカゲチョウ”がやって来ました。シックな羽色に目玉模様が特徴です。そこへハエが割り込もうと近づくと・・・「バシッ!」羽を素早く広げてカウンターパンチを浴びせました。
 こちらは羽が傷ついたヒカゲチョウと仲良く食事をする“アカタテハ”です。錦のような羽の表が見たいと思いましたが、全く羽を開いてくれません。でもやっぱりハエを追っ払う時には「バシッ!
 先ほどより、一番いい場所に陣取っているのは“コクワガタのメス”です。他の昆虫たちが近寄ってくると「うるさい、ここはわたしの場所だ」と言わんばかりに追い払ってしまいます。それならばとアカタテハがとった作戦は、コクワガタの背中に乗っかり後ろからちゃっかりご馳走をいただいてしまおうというものです。意表を突かれたコクワガタの唖然とした表情に思わず吹き出してしまいました。

 南但馬自然学校の生垣は、ワイワイガヤガヤ大にぎわいです。さあ今度はどんな昆虫に出会えるでしょう。しばらく生垣から目が離せません。

文責 増田 克也



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