カナブン相撲コナラ場所




 南但馬自然学校の生活棟(せいかつとう)付近を通りかかると、どこからともなく甘酸(あまず)っぱい匂(にお)いが漂(ただよ)ってきます。それは乳酸飲料のようでもあり、また、ミックスベリージュースようでもある、どこか懐(なつ)かしさを感じさせる匂いです。
 
 子どもの頃(ころ)、夏休みなるとカブトムシやクワガタムシといった、目当ての昆虫(こんちゅう)を求め、精一杯(せいいっぱい)早起きをして向かった先では、この香(かお)りが満ちあふれていたことを思い出しました。

 そうです、これは樹液の香りです。鼻を頼(たよ)りに匂いの発生源を探ると、樹液が泉のように噴(ふ)き出しているコナラを見つけました。近づけば「ブツブツ・・・ブツ」と音まで聞こえるではありませんか。

 こんな都合の良い場所を、虫たちが放っておく訳がありません。次から次へと様々な昆虫が姿を現し、最後にはカナブンもやって来ました。
 カナブンは、あふれる樹液を独占(どくせん)しようと争いを始めます。当のカナブンたちは真剣(しんけん)そのものですが、端(はた)から見ていると、まるで相撲(すもう)をとっているようで、思わず吹(ふ)き出してしまいます。

 それでは、上のフレーム内をクリックして、於 南但馬自然学校“カナブン相撲(ずもう) コナラ場所”を動画でご覧ください。

文責 増田 克也


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