界隈の花たち

今週の自然のページは、本校近くの山際や川土手、田んぼの周辺を巡(めぐ)り、そこで目に付いた植物をスナップし、ペタペタと貼(は)り付けてみました。どれも珍(めずら)しいものではなく、身近な草木ばかりです。掲載(けいさい)した写真は、クリックでポップアップします。どうぞご覧ください。
 
 
   
     
 お彼岸(ひがん)はまだまだ先だというのに、ヒガンバナのような花が土手を彩(いろど)っています。これはどうしたことでしょう。近づくと、ヒガンバナ科のキツネノカミソリでした。この花はお盆(ぼん)の頃(ころ)に盛りを迎(むか)えるので、遅咲(おそざ)きのものがいくらか残っていたようです。

春には、名前にあるように、カミソリのごとくシュッと伸(の)びたシャープな葉を出しますが、他の草が繁茂(はんも)する初夏になると葉はなくなり、今では見る影(かげ)もありません。右の写真のように、既(すで)に花びらの先端(せんたん)は、白く変色していましたが、今年は花の盛りを見逃(みのが)しただけに、「よくこの時季まで残っていてくれた」と喜びもひとしおです。
 園芸品種と見間違(みまちが)うほど鮮(あざ)やかな花を咲かせているのは、フシグロセンノウです。毎年、同じ場所で咲く多年草で、朱色(しゅいろ)の花は遠くからも、すぐそれとわかります。

今年は、細長いハート型の葉を持つ、ヤマイモのつるに巻かれ、ヒノキの幹に縛(しば)られていましたが、そこは逞(たくま)しい野草のこと、いつもと変わらないビビッドな色を放っていました。
   このマツヨイグサは、8月になると至る所でよく見られます。

ご覧のとおり、黄色い花はよく目立ち美しいのですが、余りにも数が多いために、ありがたく思う人は少ないようです。

今ではすっかり姿を消し、僅(わず)かに残ったものにカメラを向けました。



     
 

ツルボタンの花は不思議です。こんなに艶(あで)やかなのに花びらがありません。花の中心から放射状に広がっているのは雄(お)しべで、開いた4枚の、さも花びらのようなものは“がく”です。
この時季、川面に垂れ下がったりフェンスなどに絡(から)みつく姿がよく見られます。
    

5月に花を咲(さ)かせたエゴノキは今、サクランボの形に似た実を付けています。今年は特に豊作で、枝もたわわに実のっており、そのうちヤマガラが何度も訪れることでしょう。
本校では、生活棟(せいかつとう)さくらの館にエゴノキがあります。
     
 川辺にツリガネニンジンが揺(ゆ)れていました。

“名は体を表す”ということわざがありますが、この花の形は、正に釣鐘(つりがね)です。では、ニンジンはどこに・・?

それは土の中。根っこが肥大してニンジンのようになるらしいのです。

釣鐘は毎年、目にするので、機会があればニンジンも是非(ぜひ)、見てみたいものです。このニンジンは、せきを鎮(しず)め、喉(のど)の痛みをとる効果があるということです。
 
ヘクソカズラ・・・いったい誰(だれ)でしょう、こんな名前を付けたのは。

漢字では“屁糞葛”となり、これは、実や葉をつぶすと悪臭(あくしゅう)がすることに由来しています。

花は小さく愛敬(あいきょう)があり、色は紅白。それなのに、ヘクソとは気の毒です。

別名で、花の形がお灸(きゅう)に似ているので“ヤイトバナ”があります。この名の方がずっといいですね。
文責 増田 克也


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