かい〜の


 山の中で待機していると、「サッサッサッサッ」落ち葉を踏(ふ)む足音が近づいてきます。音の方へ目をやれば、おや、アナグマではありませんか。

 みなさんは、アナグマをご存じでしょうか。名前に“クマ”の文字がありますが、見ての通りクマではなく、実際はイタチ科の動物です。しかし、雰囲気(ふんいき)が、タヌキによく似ているので、アナグマに出会ってもタヌキと混同されているケースが多いようです。そのため、本校周辺では、時折見かける動物であっても、知名度は今ひとつといったところです。

 アナグマは昆虫(こんちゅう)や小動物はもちろん、木の実なども食べる雑食性です。夜に活発に行動しますが、曇(くも)りや雨の薄暗(うすぐら)い日には、日中でも見かけることがあり、本校の生活棟周辺や、キャンプ場などにしばしば現れては、そのユーモラスな姿を見せてくれます。

 さて、今回、出会ったアナグマは、ぺたんと地面にいきなり座り込(こ)むと、上の写真にあるように、一目で性別がわかるほど無防備な姿で毛繕(けづくろ)いを始めました。まずは、身体を大きくひねって、腰(こし)の辺りにガブッ!口を小刻みに動かし大変気持ちよさそうです。

 顔の辺りをよく見ると、なんとまあ、どこで拾ってきたのか、右目の下にたんこぶのように大きく膨(ふく)らんだダニをぶら下げています。ところが、“目の下のたんこぶ”は気にしていない様子で、全身のあちらこちらを、噛(か)んだり、掻(か)いたり、さすったり、ひたすら毛繕いに精を出しています。当の本人にしてみれば、大まじめに取り組む毛繕いも、そのひょうきんな容姿が手伝って茶目っ気たっぷりに見えます。

 それでは、入念に約7分間も続いた毛繕いの様子を、1分程度の動画に編集しましたので、下の画像をクリックしてご覧ください。

文責 増田 克也








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