南但馬自然学校から西へ3q下った円山川では、寒さが増すにつれ、徐々にカモの数が増えてきました。そのため、近くを通りかかる度に、つい、川をのぞき込んでしまいます。
この日も、何気なく目を向けると、上の写真にある3羽のカモが浮(う)かんでいました。
1羽ずつ順番に見ていくと、一番奥を泳いでいるくちばしの先が黄色いカモは、一年を通して見られるカルガモ です。まん中は、美しい繁殖羽(はんしょくばね)に換(か)わる途中(とちゅう)にあるオスのマガモ 。そして、手前は・・・「エッ!なんじゃこりゃ!?」思わず声が出ました。これまでこんな色をしたカモは見たことがありません。
このカモは、おそらく突然変異(とつぜんへんい)によって生じた、“アルビノ”と呼ばれる色素が少ない個体だと思われます。
川面を移動する白いカモを観察すると、身体の色は光の当たり方によって、より白く感じられ、背中に折(お)り畳(たた)んだ羽に至(いた)ってはまっ白です。全体的に色が薄(うす)いので決め手に欠けますが、大きさや体つきからみて、どうやら種類はマガモのようです。
しかし、この不思議なカモを、見れば見るほど、あれこれと思いが巡(めぐ)ります。
「マガモのオスと一緒(いっしょ)に行動しているので、これはメスではないだろうか・・・いやいや、頭から首にかけて色が濃いから、やっぱりオスか?」「ちょっと待てよ、そもそもこの個体はマガモだろうか?、全くの別種かも?」
などと、川辺に佇(たたず)み、ひたすら首を傾(かし)げるのでした。
いずれにしろ、その神聖な雰囲気(ふんいき)から、古代より神の使いなどと崇(あが)められる白化個体。今度出会ったら、御利益(ごりやく)があるように、是非(ぜひ)、手を合わせて拝(おが)んでおこうと考えています。
文責 増田 克也
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