年越しの雪



 大晦日(おおみそか)から元旦にかけて雪が降りました。朝来山のふもとにある南但馬自然学校では約10センチの積雪となり、辺りはうっすらと雪化粧(ゆきげしょう)をしました。それでは本校の周辺を散策してみましょう。

 この朝、最初に出会ったのは、盛(も)り上がった頭の形が名前の由来になったカシラダカです。雪の中から枯(か)れ草の実を探し出しては一心に食べていました。

 里の田んぼに下りると、遠くの土手にぴょこっと突(つ)き出た茶色いものが目に付きました。双眼鏡(そうがんきょう)をのぞくと冬に渡ってくるタカの仲間、ノスリでした。
 先ほどから、時折、首を左右に振(ふ)るだけで凍(こお)りついたように動きません。きっと雪の下から獲物(えもの)が姿を現すのを待っているのでしょう。

 農道に続く車のわだちでヒバリが餌(えさ)を採っています。身体の模様が地面にすっかり溶(と)け込む見事なカムフラージュで、危うく見落とすところでした。地面には草の実などの食べられるものが落ちているのでしょう、休むことなく盛(さか)んについばんでいました。

 昼近くになり、再び南但馬自然学校へ戻(もど)ると、朝に出会った同じカシラダカでしょうか、餌を求めてあちらこちらの枝へ勢いよく飛び回るその姿は、つかの間の青空を楽しんでいるようでした。

文責 増田 克也

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