休日の南但馬自然学校



 いつも子どもたちの元気な歓声(かんせい)が飛び交う南但馬自然学校ですが、今日は日曜日、辺りはひっそりと静まりかえっています。上の写真は、入校する子どもたちを乗せたバスが到着(とうちゃく)する本校の玄関口(げんかんぐち)“エントランス広場”です。今朝は広場中央の大きなケアキの木や本館もドップリと白い霧(きり)に包まれました。

 こんな朝は,本校のフィールド、朝来山へ登ると盆地(ぼんち)のすみずみまで広がる雲海が見られるはずです。そこで自然散策路“くまコース”を登ることにしました。汗をかきかきやっとのことで雲海展望台に到着すると、予想どおりミルクのような雲海が足元まで迫(せま)り今にもあふれ出しそうです。思わず駆(か)けだし手すりから身をのり出すと、そこには雲海の大パノラマが広がっていました。
 東に朝焼けが残る空は、すじ雲やうろこ雲にうめつくされてすっかり秋の様相です。西を望むと霧の中から現れた竜宮城(りゅうぐうじょう)のような竹田城跡は、寄せては返す雲海の波にのみ込まれそうになっていました。

 雲海を満喫(まんきつ)し下山をすると、小径(こみち)に光のシャワーが差し込み、子どもたちが寝泊(ねと)まりする生活棟は白いベールをようやく脱(ぬ)ぎはじめました。眩(まぶ)しいほどに照らされた中央階段を下りると霧はすっかり晴れ、本校のシンボル、校内の中央に建てられた大屋根広場が誇(ほこ)らしげにどっかりと腰(こし)を据(す)えています。風が流れるたびに空は青さを増し、東から差し込む朝の陽は、芝生広場に木々の長い影を映していました。

 「さあ、今週はどんな子どもたちに会えるだろう」南但馬自然学校は静かにそのときを待っているようです。

文責 増田 克也

“自然のページ”のご意見ご感想をメールでお寄せください
Email mtajimashizen@pref.hyogo.lg.jp