芝生広場 09.02.17 




思いがけず雪



 このところ、このまま春になってしまうのかと思うほどのポカポカ陽気が続いていましたが、16日は急に冷え込み、夕方からは雪が降り始めました。翌日、17日朝には、山や田んぼも一面まっ白になり、南但馬自然学校の芝生広場(しばふひろば)も寒々とした景色に一変しました。
 午前10時をまわる頃(ころ)には、時折、雲の間から青空がのぞき始めましたが、晴れたと思えばまた吹雪(ふぶ)く、不安定な天気です。

 わずかな晴れ間をぬって外へ出てみると、生活棟のヤマザクラには雪の花が咲き、青空に背伸びをするように枝を広げています。
 朝来山の雑木林には、本物の花が咲いていました。小さな白いベルをいくつもぶら下げたアセビの花が、重たそうに雪をかぶっています。最近の暖かさに開いた花も、思わぬ寒さに驚(おどろ)いていることでしょう。
 足を進めると、大きな岩のとなりに地面が顔をのぞかせた、ニホンジカの寝床(ねどこ)を見つけました。ここで昨夜の雪をしのいだのでしょう、寝床から延びる足跡(あしあと)は奥山へ続いていました。
 本館の裏には、春に早咲きすることで知られるマンサクが黄色い花をつけていました。縮れた花びらが冷気に震(ふる)え上がっているように見えます。
 つかの間の青空もここまでです。再び雪が降り始めた大屋根広場に渡り鳥のツグミが来ていました。開いた地面に餌(えさ)を探す様子もなく、ぽつんと1羽でいましたが程なく飛び立っていきました。

 天気予報によると、この寒気も長続きはせず、どうやら明日までのようです。冬将軍からの思いがけない雪のプレゼント。春めいてきたこの頃だけに少し得をした気分です。

文責 増田 克也


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