豊岡市立合橋・高橋・資母小学校 08.07.01




子どもたちと自然散策



 6月26日、本校で自然学校を実施中の、豊岡市立合橋・高橋・資母小学校の子どもたち12名と校内の自然散策に出かけました。午前9時、さあ、大屋根広場を出発です。

 107段もある生活棟へ向かう石段にさしかかると、まず子どもたちがやり始めたのは、「この葉っぱひっつくで〜」友達の服にツツジの葉っぱをペタペタ。あっと言う間に葉っぱのワッペンができあがりました。
 石段の途中(とちゅう)にある、東屋(あずまや)の柱にできた割れ目をのぞき込んで「なんかおるで!」そこにはドロバチがたくさんを作っていました。

 生活棟とちの館の前では、ヤマボウシの 葉っぱに隠(かく)れている蝶々(ちょうちょう)を見つけました。きれいな模様をしていますが、これはヒョウモンエダシャクという蛾(が)の仲間でした。
 子どもたちは、次々と楽しいもの、興味があるものを発見していきます。

 さあ、今度は何が見えるかな?「アッ茶色い鳥・・・ 色はトラツグミに似とる!」男の子が叫(さけ)びました。みんなは双眼鏡(そうがんきょう)で野鳥の姿を追いかけるのに一生懸命(いっしょうけんめい)です。
 この日、出会った野鳥は、ホオジロセグロセキレイキセキレイ、それに絶滅危惧U類(ぜつめつきぐ2るい)に指定されているタカの仲間のサシバも観察できました。

 森のスポーツ広場では、ヘビの抜け殻(ぬけがら)を見つけました。「これは縦縞(たてじま)があるでシマヘビやで」抜け殻を手にした男の子がみんなに解説してくれました。
 地面には何やら足跡(あしあと)がついています。足跡の図鑑(ずかん)を頼(たよ)りに調べると、これはニホンジカの足跡とわかりました。ニホンジカの足跡のすぐ近くにも別の足跡を発見しました。蹄(ひずめ)の後ろに副蹄(ふくてい)という小さい跡が2つ残るイノシシのものです。足跡に指を入れてみると奥まで深く入るので、足跡の主はきっと大きなイノシシだったのでしょう。子どもたちは、地面に残された足跡から、動物を推理(すいり)する名探偵(めいたんてい)ぶりを発揮しました。

 雨乃宮(あめのみや)の池に行くと、木々にモリアオガエルの卵がいっぱい付いています。女の子がこの様子を見て一言、「ここは卵のマンションや!」ナイスコピーですね。
 水面で溺(おぼ)れかかっていた虫を、拾ってきた木の枝でたぐり寄せると、それは大きなミヤマクワガタでした。助けたクワガタは 早速、近くの木にリリースしました。それにしても立派なミヤマクワガタです。女の子たちは余りの迫力に遠巻きに観察しています。

 ここでお昼になりました。お腹がすいたぞ! 道なき道をストレートハイクで食堂へ向かいます。
 
 午後からはしばらくの間、本館エントランスで、はく製になった野鳥の名前を図鑑で調べました。「この青い鳥はオオルリ?」「灰色の大きなやつはイカルかな?」じっくり図鑑のイラストと見比べて、12名がそれぞれの意見を出し合うと、すぐに名前が判明しました。
 
 今度は、キャンプ場の周辺を散策します。すると早速いました大きな毛虫! マイマイガの幼虫と思われるが毛虫がガードレールの上を波打ちながらはっていきます。子どもたちは奇妙(きみょう)なものや危険なものが大好きです。触(さわ)らず見るだけ見るだけ・・・

 果樹園では、残り少なくなったグミの実をほおばります。「この実は花の跡が付いとる」と見せてくれました。こちらの女の子は、地面に落ちたカキの実を拾って石に擦(こす)りつけています。「ハイ、山葵(わさび)のできあがり!」「ままごとではこうやって山葵を作るんや」と教えてくれました。子どもたちの自由な発想に感心するばかりです。

 「笹舟(ささぶね)作れる?」と問いかけると、みんな一斉(いっせい)にササの葉を手に取り、すぐにかわいらしい笹舟がいくつもできあがりました。さあ、キャンプ場の佃川(つくだがわ)で笹舟流しです。誰(だれ)のが一番遠くまで流れるでしょう。

 次は、イタドリにササのリードを取り付けて笛を作りました。「この笛は吸っても鳴るぞ!」これは新しい発見です。女の子たちは乾燥(かんそう)した太めのイタドリでパーカッションを作りました。クラベスやウッドブロックによく似たサウンドにご満悦(まんえつ)です。

 この他にも、大きなミミズを見つけたり、キノコの仲間、ヒトクチタケに隠れるイモムシを引っ張り出したり、ケヤキの葉っぱにできた虫コブを観察したりと、盛りだくさんの内容でしたが、楽しい時間はあっと言う間に過ぎ去り、みんなケガもなく、ワイワイガヤガヤ元気いっぱいの自然散策を終えることができました。

 今回の自然散策が、本校で行った野外炊飯(やがいすいはん)やテント泊(はく)など、その他のプログラムと共に、いつまでも子どもたちの記憶(きおく)に残るいい思い出になることを願っています。

文責 増田 克也

 

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