新年を迎えて

兵庫県立青雲高等学校校長 高橋 一男

あけましておめでとうございます
  今年がより一層よい年でありますようお祈り申し上げます
   平成十八年 元旦

私は、新しい年を迎えた朝「今年も健康な身体で一年を過ごせますように」と祈ります。
 生徒の皆さんは「健康ということ」をどのように考えていますか。
 「病気でなかったら健康」と考える人が多いかと思います。本当にそうでしょうか。

 保健の授業で学習されたかも知れませんが、世界保健憲章には次のように「健康」を定義しています。

 『健康とは、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に病気あるいは虚弱でないことではない』と前文に述べられています。
 このことから、健康であるということは、ただ単に「病気にかかっていない」「元気です」ということではないのです。
 精神面では、よい精神状態で生活が出来ているとか、社会面では、よい人間関係や社会的役割等も出来ているということでしょうね。
 「健康」の有り難さは、病気になって入院したときにほとんどの人が「健康がいいな」と思うのです。例に漏れず私もその中の一人だったのです。

 私の若い頃を振り返えれば、食べすぎ・飲み過ぎ、喫煙に加えて運動不足という不健康な生活を送っていました。
 このような不健康な生活習慣を長く続けておりますと、肥満や糖尿病・高血圧や高脂血症・ガン・心臓病といったご存知の生活習慣病(以前は成人病と言っていた)という不名誉なレッテルを貼られました。
 私は、不健康な生活の中で、32歳で腎結核になり、右の腎臓を摘出、54歳の時、胃ガンで胃を2/3切除しました。
 今思えば、若い時から少しでも健康ということを考えた生活を送るべきだったと、この歳になって反省しているところです。

 生徒の皆さんには、私の失敗と同じことをしてほしくありません。どうか、日頃から、身体を動かし、ストレスを溜めず、周りの人とは良い関係を保ち、ゆったりとした気分で生活をしてほしいと思っています。いま、皆さんの出来ることは、学校や職場・地域で行う年一回の健康診断を必ず受け、その結果の中で悪いところが見つかれば、再検査や医師とよく相談することが大切なことです。
 結果が良いからといって、何をしても大丈夫ではなく、良い時ほど自分自身気をつけて、健康な生活を送るように心がけてほしいと思います。

 生徒の皆さん、健康は一年間だけのことではありません。人それぞれが何か生きがいを見つけて、楽しい人生を送ることが出来るのも、『健康』であるということが第一条件です。
 私も新年を迎え、今一度世界保健憲章の定義である身体的・精神的・社会的に良好な状態を作り、「健康な人生が送れるよう」に努力することを心に約束しました。(2006.1)