○学校における火薬類の実験について(通知)
(昭和55年9月12日 教高第567号 各県立学校長あて 兵庫県教育長)
学校における実験・実習時の安全確保については、昭和55年4月21日付け教高第76号でも通達し、かねてから配慮願つているところでありますが、このたび産業保安課長から別添写しのとおり火薬類の実験についての留意事項の周知徹底方依頼がありました。
つきましては、上記留意事項を貴所属の教職員に周知徹底し、理科実験・実習時の安全確保に一層の御配慮を願います。
産保第284号
昭和55年8月19日
高校教育課長殿
兵庫県商工部産業保安課長
高等学校等における火薬類の実験について(依頼)
平素は、産業保安行政に御協力いただきありがとうございます。
すでに、ご承知のとおり、標記のことについては、昨年来、別添(参考)のとおり、2件の災害事故が発生しております。
このため、通商産業省では、別紙写しのとおり昭和55年8月8日付55保安第100号立地公害局保安課長名通達をもつて事故防止対策についての留意事項の周知徹底を行うよう要請がありました。
つきましては、今後このような事故が発生しないよう高等学校等関係者に対し、周知徹底方について、ご指導をよろしくお願いします。
55保安第100号
昭和55年8月8日
兵庫県火薬取締役担当部長殿
通商産業省立地公害局保安課長
高等学校等における火薬類の実験について
標記の件について、昨年来別添参考のとおり2件の災害事故が発生しております。使用された配合薬剤は、火薬類取締法に定める火薬類(以下「火薬類」という。)の原料薬品となるもので、配合した薬品の燃焼・爆発性能は火薬類と同等と考えられます。従つて、この種の実験は、火薬類取締法上火薬類の製造及び消費に係る理化学上の実験に該当するものであり、当然同法の適用を受けることになります。ついては、今後このような事故の再発を防止するために、下記の事項について、貴職から県の教育行政機関を通じ高等学校等関係者に周知されるよう要請いたします。
留 意 事 項(抜すい)
- 火薬類の理化学上の実験とみなす範囲
火薬類取締法第2条に定める火薬類の製造及び消費にかゝる理化学上の実験(1)として明白なもののほか、推進的(2)又は爆発的(3)用途に供することを目的として可燃(4)酸素供給剤(5)及び鋭感剤(6)等となる薬剤を混合し、その効果を評価(検討)しようとする一連の実験行為をいう。
(注)
- )例えばニトログリセリン・TNTの合成
- )例えばロケツトの推進実験
- )例えば火山の爆発実験
- )硫黄、木粉、けい素鉄、アルミニウム、でん粉、木炭等
- )硝酸カリウム(硝石)、硝酸ナトリウム(チリ硝石)、過塩素酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩素酸カリウム、過塩素酸カリウム、硝酸バリウム等
- )ニトログリセリン、ニトロセルロ一ス、トリニトロトルエン、色火剤等
- 高等学校等において火薬類の理化学上の実験を行う場合の留意事項
- )火薬類取締法にいう理化学上の実験とは、各種の学校、工場等において、理化学上の研究目的のために行う実験をいう。高等学校等でも火薬類に関する実験を行うことがあるが、生徒に対し火薬類に関する正しい知識を与え、無知あるいは好奇心から生ずる災害を防止する目的からは適切かつ必要と考えられるが、その反面、授業指導の適正を欠くときは、反つて危険を助長することになりかねない。
従って、火薬類に関して十分な知識、経験を有する教職員の指導のもとに火薬類の製造、消費等の実験を行う場合にはじめて「理化学上の実験」に包合されるものと解するのが妥当と考える。
- )火薬類は、火薬類取締法により18才未満の者は取扱うことが出来ないので、特に注意する。
従つて生徒が18才未満の場合には、上記(1)にいう教職員の行う実験を見学させる方法によるべきである。
- )実験が安全に実施されるために、実験を企画実施する関係者が使用する火薬類の性質及び取扱上の注意事項等について充分認識し、実験を行う際の危害予防措置を適切に実施するよう教職員は責任をもつて教育指導する。
- )実験場所は、万一の爆発を考え、災害の防止の見地から実施する実験内容(火薬類の種類及び量、実験方法等)に応じ適切な場所を選定すること。
- )実験に際しては、担当責任者(教職員)が必ず立会指導するとともに、予め定めた実験手順に従つてその通り実施させる。特に薬品の配合順序配合割合は厳密に管理する必要があり、又配合作業、配合剤の火薬類の取扱等についても粗雑にならぬようその取扱いについて注意指導する。
なお、火薬類の配合作業及ぴ火薬類の取扱等直接火薬類を取扱う者は特定の者以外には作業させないことが望ましい。
- )実験内容からみて、万一爆発しても被害を最小限に止め、人的損傷のないよう特に配慮し、保安のための空間が十分にある場所において実験をすること。
必要に応じ、隔壁、防護壁、土塁などを利用して実験に従事する者及び見学者に対する防護
措置をとること。
- )火薬類取締法により、理化学上の実験として無許可製造(法第4条及び同法施行規則第3条)及び無許可消費(法第25条及び同法施行規則第49条)が認められている量は、次のとおりである。
(次のとおり省略)
○学校における実験・実習時の安全確保について(通知)
(昭和59年10月1日 教義第603号 各教育事務所長あて 教育長)
このことについては、昭和55年4月21日付け教高第76号の通達によりかねてから御指導願っているところでありますが、今般、理科の実験中に不慮の爆発事故が発生しました。
ついては、今後再びこのような事故が起こらないよう、貴管下市郡町教育委員会に対し、上記通達の周知徹底方を願います。
なお、実験・実習について、安全確保に十分配慮したうえで、積極的に取り組むよう指導願います。
○理科室等薬品特に毒物・劇物並びに爆発性薬品の保管・管理の徹底について(通知)
(昭和58年6月23日 教義323号 各教育事務所長 各県立学校長あて 教育長)
このことについては、昭和53年5月1日付教義第118号等により、かねてから御配意願つているところでありますが、最近、他府県では毒物・劇物の盗難及びこれによる事故が発生しており、本県においても十分に注意したいところであります。
つきましては、貴管下の小・中学校及び貴校の教職員に対し、下記の事項に一層留意し、より安全確実な保管・管理がなされるよう御指導願います。
記
- 理科室薬品の点検を計画的に実施すること。
- 薬品庫、薬品戸棚及び理科準備室については、施錠の徹底を図ること。
- 薬品の保管には、有毒性、引火性、発火性、爆発性、混合による危険性等、各種の危険性をよく検討し、分類して、保管すること。
- 毒物又は、劇物の保管・管理について
- )一般の薬品とは場所を別にし、施錠設備のある堅固なものに保管する等、盗難・紛失の防止に特別の留意をすること。
- )保管する場所に「医薬外用」及び「毒物」又は、「劇物」の文字を表示すること。
- )受払簿を常備し、使用量及び現在量を明確にすること。
- )紛失・盗難等の異常があつた場合は、直ちに関係機関に届けるなど、適切な処置をとること。
- )毒物及び劇物取締法、同施行令及び同施行規則を厳守すること。
- 引火性、発火性及び爆発性薬品、特に塩素酸塩類の保管・管理についても十分留意すること。
- その他の留意事項
- )児童・生徒が無断で理科準備室等、薬品類を保管している場所に立ち入ることのないよう配
慮すること。
- )休業日の理科室薬品の管理についても、校長において遺漏のないよう対策を講じること。
- )保健室関係薬品についても上記に準ずること。
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