1) | 薬品庫内の汚染の除去。 今回の地震では、多数の薬品が薬品棚より転落し、薬品瓶が割れ各種の薬品が庫内で混合状態になったため反応を防ぐことができなかった。写真にある様な庫内の状況で、火災が起こらなかったのは奇跡的である。多くの薬品が混合状態で床の上に堆積し、危険な状態にあると判断したので、大まかに分別し、スコップで緊急に除去した。庫内の床は焼けただれており、表面に付着した酸については石灰で中和したが、内部に浸透したものに対しては、対策は施していない。また、多くの有機物による汚染に対して、処置をしていない。破損を免れた薬品については緊急避難として化学実験室へ移した。安全上ないしは、今後の使用上廃棄すベきと考えられるものについては、学校事務を通じ業者によって廃棄させた(3/24/FRI)。しかし、廃棄しなかった試薬についても、その試薬瓶の表面が各種の薬品によって汚染されているケースが、相当多数ある。薬品庫内部とその周辺は、現在もなお多くの化学物質で汚染されている。 |
2) | 薬品棚は、倒れないよう壁に作り付ける必要がある。 今回の地震において、薬品棚が倒れたのは見逃せない。作り付けの棚であれば倒れなかったと推定される。 |
3) | 倒れなかった薬品棚においても、並ベてある薬品瓶のほとんどが(数百本)落下した。棚が振動しても落下を防げるタイプの棚にすベきである(試薬瓶のはめ込み式等)。 |
4) | 仮に落下しても、火災等を起こすような薬品の混合が起こらないような『隔離壁』を庫内に設けておくベきである。 今回は、たまたま運が良かっただけである。もし、塩素酸カリの瓶が、あと80センチ北に落ちて(転がって)同じように割れておれば多分火災が生じていたであろう。 |
5) | また、薬品棚内部での衝突で破壊されたと考えられる薬品瓶が多数ある。これもはめ込み式等の棚にすれば相当防げるであろう。 |
6) | 有機溶媒等には、常温で蒸気圧があるので強力な排気装置が必要である。 これを設備しないと、何十種類もの発ガン性物質に、常時さらされていることになる。特に夏季は深刻である。(ちなみに、昨夏は37〜38℃に達する日が連日続いた。) |
7) | 常温での蒸気圧が高い薬品、引火性の強いもの、加水分解等分解しやすい薬品の保管のため低温防爆薬品保管庫(薬品冷蔵庫)が必要である。 多数の薬品の自然減量、分解、酸化、変質等を確認している。二硫化炭素の自然減量(蒸発の結果周辺へ拡激)、硫化ナトリウムが大気中の湿気と高温で加水分解し水酸化ナトリウム水溶液に変化、この時生じた硫化水素は、長年にわたって周辺を汚染し続けていたと考えられる。以上は一例である。 |
8) | 薬品庫の壁は、鉄筋コンクリートにすベきである。 現在は、セッコウボード製と思われるが、一部破壊され穴があいている。頑丈なものにすることにより、仮に庫内で発火しても、庫外への延焼をくい止めるか、あるいは延焼を遅らすことが可能と考えられる。 |