火災対策と消火法

〈平常時の注意事項〉

  • 防災設備を整備し、定期的に点検しておく
      消火器、消火栓、乾燥砂
      防護用具
      防火扉、非常口、階段、廊下に障害物を置かない  
  • 可燃物の量を最少限にとどめる
      毒物や、反応性の強い物質、特に水と反応する物質について熟知しておく  
  • 火気を使うとき、引火物質を置かない
  • 火の後始末を忘れない
  • 日頃から避難訓練をし、避難経路を確認しておく
  • 〈火災時の注意事項〉

    1. 「火事だ!」と周囲に知らせる  
    2. 火元栓を切る(ガスの元栓、電気のスイッチ)  
    3. 周囲の可燃物を火元から離す  
    4. 消火する  
    5. 消火困難と判断したら119番に通報する  
    6. 屋外に避難する

    〈消防法分類に応じた消火方法(6類)〉

    消防法分類特徴消火方法物質の例
    第1類
    酸化性固体
    を出して可燃物と反応し、火災、爆発を起こす固体大量に注水し、冷却消火する。アルカリ金属の過酸化物には水は不適で、粉末消化薬剤か乾燥砂を用いる。塩素酸塩類、過塩素酸Naなど
    第2類
    可燃性固体
    低温で引火、着火しやすい固体赤リン、硫黄、引火性固体は注水消火する。金属粉、マグネシウムは注水厳禁、粉末消火薬剤か乾燥砂で被覆する。赤リン、金属粉など
    第3類
    自然発火性物質および禁水性物質
    空気または水と反応して発火する物質禁水性物質は水、泡の消火薬剤は厳禁で、粉末消火薬剤か乾燥砂で被覆する。黄リン等自然発火性のみの性状の物は水、泡の消火薬剤を使用できる。水素化Li、金属Naなど
    第4類
    引火性物質
    引火しやすい液体水による消火は、危険物が水に浮いて火面を広げることになるので不適切である。泡、粉末CO消火薬剤などによる窒息消火がよい。水溶性の危険物(アルコール、アセトン類)には水溶性液体用消火薬剤を使用する。エ−テル、ガソリン、灯油など
    第5類
    自己反応性物質
    熱や衝撃で着火、燃焼、爆発を起こす物質爆発的で燃焼が速いため、消火は困難である。一般に、大量注水で冷却するか、泡消火薬剤を使う。燃焼時、火勢が衰えないときは爆発の危険性があるので退避の時期を誤らないようにする。硝酸エステル、過酢酸など
    第6類
    酸化性物質
    可燃物と反応して、その燃焼を促進する液体大量注水か、泡消火薬剤で消火する。ハロゲン化物、CO、炭酸水素塩類の消火薬剤は不適である。過塩素酸、H、フッ化塩素など