はんだつけ |
1 | はんだの種類・・・はんだは何からできているか? |
|
錫:鉛 % | 溶融温度 ℃ | 凝固点 ℃
| 90:10 | 220 | 183 |
60:40 | 190 | 183 |
50:50 | 212 | 183 |
40:60 | 237 | 183 |
30:70 | 260 | 183 |
|
| 上の表の結果、電気部品の接着には錫60%・鉛40%の合金が、溶融温度が低いので使用に適している。 |
| [ペースト] | ・・・塩化亜鉛とパラフィンまたは塩化アンモニウムと松ヤニを混合したものが多い。 最近ははんだの中にペーストが入っているが、より完全に接着させるためにはペーストを使うとよい。ペーストには接着面の汚れ、酸化被膜、さび、油などを取り去り、表面を覆って酸化を防止して、はんだの融着をよくする作用がある。 |
|
2 | はんだのつけ方 |
@ | 接着面を清浄にする。 |
・ | 接着面にさびがあればヤスリやサンドペーパーで磨いておく。 |
・ | 油膜の汚れがひどい時は、ベンジンで拭き取っておく。 |
A | 作業にかかる前に、こて先をクリーニングしておく。 |
クリーニングの仕方 |
・ | こて先はヤスリ・ワイヤーブラシ・グラインダー等で磨く。(ただし、磨いてはいけないはんだこてがある) |
・ | こて先用のスポンジに一定の水を含ませて磨く。 |
B | はんだこては、作業を始める5〜10分前に必ず電源を入れておく。 |
C | 接着する部分をできるだけきちんと合わせ、その周辺にペーストを塗る。 |
D | はんだはペーストのついた部分に広がっていくので付け過ぎに注意する。 |
E | 予め加熱しておいたはんだこても瞬間的にペーストに浸してからはんだに触れる。こての温度はその上にはんだがさっと溶けてのる程度がよく、高すぎてもいけない。こうしたはんだこてを接着部にじっと押しあててやると、接着部の温度が上がる。はんだの溶融点を越せば、こてのはんだはきれいにペーストをつけた部分に広がってしみ込んでいく。 |
F | はんだは必要以上につけすぎない。少量で接着する方がよい。 |
G | 完了後には、はみ出したペーストや熱で飛び散ったペーストはきれいに拭き取っておく。そのままにしておくと金属面に悪影響を及ぼす。 |
H | こては電源を切ってもまだ余熱があるので、注意する。 |
I | 作業後は必ず手を洗う。 |
|
[注意・工夫点] |
@ | チップ(クリップ)を固定する台の工夫をする。古いゴム栓や木片に穴を開けたり切り込みを入れたりして使う。ワニぐちクリップを、たくさん付ける場合は、厚紙にクリップをはさんで付けると便利である。・・・図1,2 |  |
A | はんだこては、絶対に机の上に置かない。はんだこて置き台を工夫するとよい。・・・図3 |  |
・ | はんだこて置き台の作り方。 |
1) | 金属板(18cm×3cm)図のように曲げ、木板にねじでとめる。 |
2) | 木板(10cm×25cm〜12cm×30cm)にドリルで穴をあけ、チップ類がつきさせるようにする。 |
|
3) | 矢型チップは、木の隙間に差し込んでで固定した方が、はんだづけがしやすいので、少し厚めの木に矢型チップがささるだけの隙間をあけて(図3)の台に打ちつける。(図4) |  |
|
・ | リード線作製ボード |
| バナナチップや矢形、ワニ口クリップをはんだつけするときに固定するための台。古机の天板に直径の異なった穴をあける。(穴の深さは適当に工夫する)その穴に直径チップを差し込んだり、ばん線(太い針金)を固定したり、ワニ口を挟んだりして作業する。 |
B | はんだつけの作業の直後、息を吹きかけると直ちに固化する(パッとはんだの艶が消えるから分かる。) |
C | 作業中(特にこてを加熱すると)こて表面に酸化被膜ができる。酸化被膜が厚くなると熱伝導性も悪くなるので、その時はワイヤーブラシなどで落とす。 |
D | リード線の両端を1pずつ芯の部分を残し、ビニールカバーを取る。その芯の部分には、リード線をねじってからはんだを薄く付けておく。 |
E | チップやクリップをはんだごてでよくあたため、少量のはんだをつけなじませておく。
キャップを入れ忘れたり、ねじ部分にはんだをつけないように気をつける。つないだ後は、しばらく動かさないようにしてなじんでから一息吹きかけて冷やす。冷やしてから軽く引っ張ってとれなければよい。 |
F | 差し込みなどにリ−ド線をとり付けるときは、銅線をむきだしにして丸い輪を作りはんだで固めておくとよい。 |
G | 抵抗、トランジスタ−、ダイオ−ドは熱に弱いので、すばやくつけることが必要である。 |
|
|
参考文献紹介 |
○ | 最新教育物理実験 中込八郎編 | 旺文社 | |
○ | 理科用品手引き | 文部省 | |
○ | 理科Q&A教室 物理 | 東京法令出版 | \4200 |
○ | 図解 実験観察大辞典(物理編) | 東京書籍 | \9800 |
○ | 理科実験のためのガラス・プラスチック細工 | 第一学習社 | \2000 |
|