2、廃液の処理方法

  実験室用廃水処理装置のある学校では正しい方法に従って処理する。しかし装置のない学校では廃液処理業者等に依頼する必要がある。
  下記の表は業者委託の一例である。参考にされたい。
○廃液処理(業者委託)平成12年度分
  • 最低3種類に分類する。(酸性廃液・アルカリ性廃液・有機廃液)
    区      分およその処理費用
    無機廃液酸性有害物質を含まない廃液200円〜250円/l
    有害物質(Cr,Cd,Pb,As)を含む廃液350円〜400円/l
    アルカリ性有害物質を含まない廃液200円〜250円/l
    有害物質(Cr,Cd,Pb,As,CN)を含む廃液(注1)350円〜400円/l
    有機廃液有害物質を含まない廃200円〜250円/l
    有害物質を含む廃液(注2)300円/l
    注1
    本来シアン(CN)は処理費用が異なり(1000円/l)、別に貯留すべきだが、アサヒプリテックの場合は高校での実験廃液程度の量であれば混合されていてもともに回収するとのこと。(必ずアルカリ廃液中に貯留すること。酸に加えるのは危険である。)
    注2
    廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行例での指定の「特定有害産業廃棄物」。高校実験で使用される薬品ではトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、1.2−ジクロロエタン、四塩化炭素、ベンゼンなど
    • 含水銀は上記廃液と分ける。(混合すると非常に割高になる 1000円/l)
    • 安全面から考え、酸とアルカリは混ぜず分けて貯留することが望ましい。
    • 廃液の混合物で酸・アルカリがよくわからない場合、原則として酸の容器に貯留する。(含シアンについては必ずアルカリに入れる。酸に加えるのは危険である。)
    • 無機廃液と有機廃液が混合している場合は、有機廃液として貯留する
    • 貯留している廃液の中に含まれる金属が何かを記録しておく。(特Cr,Cd,Pb,As,CN)。
      貯留容器に金属名を書いたテープを貼る等しておく。有機廃液と無機金属廃液を混合した場合も同様にする。
    • 試験管等の容器は少量の水(廃液量の1/10〜1/20程度)ですすぎ、すすぎ水3回程度も廃液として扱うほうが良い。
    • 沈殿物・固形物はバケツ等で保管し「汚泥」として扱う。試験管の底に少量たまる程度であれば廃液と一緒にしてかまわない。(300円/kg,含有害物質400円〜500円/kg程度)
    • 廃液の濃度は記録しなくてよいが、廃薬品を加えてはいけない。濃度の差が大きいので廃液と廃薬品はまったく別のものと考える方がよい。
    • 廃液を試薬ビンに小分けして貯留するのは、回収の際にビンの洗浄処理の費用が加算されるため割高になる。
    • 貯留容器は処理業者のものが使用できる。
      20リットル 容器、通常のポリ容器より厚めで密閉度も高い。容器配布時の運搬費用、容器使用量は無料。1年以上の容器借用もできる。(回収廃液が少量の場合など)
    • 処理費用は容器単位でなく、容器中の廃液量(リットル単位)で計算する。
    • 破損した水銀温度計・・・破損したままの固形物として回収。
    • 血液の実験で使用した注射針・・・7000円(8リットル容器、容量の異なる容器もあり)。
    • 回収運搬費・・・5000円〜10000円(神戸地区)、近隣校と回収日を合わせると、折半まではいかないが、割安になるので数校で協力し合うと得。
    • 廃薬品は薬品により費用が異なるので、直接来校しての見積もりが必要。薬品名不明の場合は、量に関わらず1本15000円。
    • 写真現像液、定着液・・・各100円/l 程度

    参考業者 : アサヒプリテック株式会社  神戸営業所:п@078-431-2981  Fax 078-413-2024
    (20名程度までであれば見学も可能とのこと)

  • 理科室等の薬品特に毒物・劇物の保管・管理の徹底及び廃棄について(通知)
    平成10年  教義第820号、教高第532号
    薬品の廃棄について
    (1)実験・実習に使用しないシアン化合物の毒物・劇物は、産業廃棄物処理業者に依頼し、廃棄すること。
    (2)県立学校においては、毒物・劇物を廃棄した場合は、別紙様式により、県教育委員会へ10日以内に報告すること。
    (3)実験・実習により生じた廃水・廃棄物についても適切に処理すること。
    (兵庫県教育関係通知・通達集より)