7、よく使う危険薬品の取り扱い方・注意     表3

薬品名 取り扱い方・注意
@アンモニア水・過酸化水素水・さらし粉  ビンに圧力がかかって開けたときに吹き出す事がある。栓を開ける時は人のいないほうに口を向け、栓を緩め圧力を逃がす。
A硫化水素ガス・塩素ガス 毒性があるので注意が必要である。発生させる時はドラフトを利用し、ガスを吸入しないこと。  
B水銀
    《参照》
  • 回収に用いる器具
  • アマルガム処理に用いる銅線、金属板
アマルガム処理に用いる銅線・金属板蓄積性を考え合わせると最も危険な薬品の一つである。基本的に作業は必ず受け皿を用意し注意深く扱う。散乱した水銀はある程度集めると大き な玉になる。まず、それを水銀ばさみや専用のスポイトまたはセロテープにつけて回収する方法がある。回収した水銀はゴミなどを取り、再利用するか、処理を依頼する。残った細かい水銀の玉 や隙間に入ったものは、銅アマルガムにして回収する。掃除機で吸い取ると排気口から蒸気が漏れ、撒き散らすことになるので使用してはならない。(ちなみに、アマルガムとは、水銀と他の金属 の合金で、多くの場合、水銀と金属の直接接触で得られる。具体的には塩酸で汚れを落とした銅線や銅板を左記のような形にしてこぼれた水銀と接触させると水銀と銅の合金ができる。) 
腐食性試薬 C水酸化ナトリウム・アンモニア水・ナトリウム・カリウム・塩酸・ヨウ素・ホウ酸・シュウ酸・ホルマリン 人体に触れると皮膚や粘膜を腐食する。
D硝酸銀 触れると皮膚が黒くなる。
Eフェノール類 濃溶液に触れると火傷する。
F酢酸・ギ酸 濃溶液に触れると重い火傷する。
G硝酸 組織を腐食する。
Hフッ化水素酸 皮膚についた直後にはほとんど刺激はないが、数時間後に激しく痛む。手に付いたと思わなくても充分手を洗っておくこと。手袋を着用するとよい。
有毒性試薬 I水銀・水銀塩・フッ化水素酸 皮膚や口からガスや固体を吸入したりしないよう注意し、大量に扱う時は換気装置のあるところで行う。
有害性試薬 J強アルカリ・強酸・硝酸銀・四塩化炭素・ニ硫化炭素・臭素・ヨウ素 吸入したり、皮膚につけたりしないようにする。
爆発性試薬 Kピクリン酸・塩素酸カリウム わずかなエネルギーや刺激で爆発するので、特に熱や衝撃・摩擦を与えないようにし、必要量以上に取り扱ったり、貯蔵しない。
酸化性試薬 L過酸化水素水 濃溶液に触れると皮膚が白くなり、軽い痛みを感じる。
発火性試薬 M黄リン 空気に触れると発火するため、水中に保存する。皮膚につくと火傷するので注意する。
Nナトリウム・カリウム・リチウム 水に触れると発火するので、石油中に保存する。
O酸化カルシウム(生石灰)・カーバイド(炭化カルシウム) 水・湿気に触れると可燃性ガスを発生する。
Pアルミニウム・マグネシウム・亜鉛の各粉末 水素発生を防ぐため、酸・アルカリ・水を避けて保存する。
Qイオウ・赤リン 空気中で高温になると発火する。
強酸性試薬 Rフッ化水素酸 金属やガラス・人体に対する腐食性が強いので、常に容器の点検を行うことが必要である。