A 光に不安定な試薬 |
化学物質は一般に250nm〜450nmの範囲の波長の光に著しく影響され、変化を起こすと言われている。この波長の光は太陽光以外にも電灯などの人工灯からの光も含まれる。したがっ
て、光に不安定な試薬は、褐色ビンなどに入れ、さらに黒色紙などで覆い、必ず暗所に置く。 |
B 熱に不安定な試薬 |
一般に化学反応の速度は10℃温度が上昇すると2倍になると言われている。経時変化しやすい試薬についてもその点に留意して、冷蔵庫や冷凍庫に保存し、できるだけ劣化を防止するよ
うに心がける。
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C 酸素に不安定な試薬 |
アルデヒド類、アミン類の多くは大気中の酸素により酸化され、その品質が劣化しやすい。特に酸化されやすい試薬保管にあたっては、十分に容器の気密性に注意し、場合によっては不活性
ガスを封入するのも品質を保つ上で有効である。
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D 水分(湿気)に不安定な試薬 |
酸、ハロゲン化物、無水物などは、空気中の湿気と反応して変質する。また、吸湿性の試薬は、大気中の水分を吸収して潮解し、劣化をきたす。このような薬品の使用に際しては手際よく、
速やかに扱い、使用後は、直ちに気密する。必要に応じてデシケーター内に保存する。
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E 二酸化炭素に不安定な試薬 |
強アルカリやアミン類および炭酸より弱い酸の塩基性塩(ex.シアン化ナトリウムなど)は大気中の二酸化炭素を吸収し、炭酸塩に変化しやすい。これらについては湿気に不安定な物質と
同様な注意を行う。 |