9.太陽の観察

[目的]太陽の観察をする。
a.視直径の測定
[準備]視直径測定用減光板 ものさし
[操作]減光板を使って太陽の視直径を測定する。
 
[留意点・工夫点]
減光板のつくり方
 
全体をすすで黒くするか黒いビニルテープをはりつけたスライドガラスに、5oくらいのコの字形の切込みを入れた白い紙をはさみ、その上にもう1枚のスライドガラスを載せて固定する。(dを5oより大きくすると手の長さ(r)では測定できなくなる)
太陽が減光板内の切込みと一致するように減光板と目の距離を調節する。
減光板は太陽光線と垂直にする。
太陽を直視しない。
スライド用のマウントにOHP用の方眼シートをはさみこみ、遮光メガネをかけて、太陽にかざし、方眼のめもりを読むことでも測定できる。
b.黒点の観察
[準備]望遠鏡 投影板(スクリーン) 直径10cmの円を描いた記録用紙
[操作]
1)望遠鏡の筒に棒を固定し、図のように中央に丸い穴をあけた遮光板と投影板をとりつける。
2)記録用紙を投影板にクリップで止める。
3)望遠鏡を太陽の方向に向けて、しっかり固定する。
  
  
  
  
[留意点・工夫点]
南側の開けた影にならない場所を選ぶ。
望遠鏡で太陽を直視しない。
望遠鏡の極軸を南北方向にあわせ、極軸の高度を観測地点の緯度に等しく調整し、鏡筒を反転しバランスウエイトを調整する。
遮光板は余計な光を遮り、投影した太陽の像を明瞭にする。
接眼部が過熱するので長時間、連続して観測しない。
太陽の像が記録用紙に明瞭に映るようになるまで、接眼レンズを少しずつ引き出す。
太陽の投影像が記録用紙上の円に合うようにピントを調節する。
観測中は、赤経微動ねじを少しずつ動かして太陽像を円内に静止させる。1〜2個の大きな黒点の位置を手早く書き込み、その位置が変わらないようにねじを調節しながら、全体の黒点をプロットする。
数日の間、観察した黒点の位置の移動から、太陽の自転の周期を求めることができる。
鏡筒を固定したとき、太陽像が移動していく方向が記録用紙上の西である。
シーロスタットを用いた観察
 シーロスタットとは、日周運動をする天体からの光を一定の方向に送り込む装置で、望遠鏡を固定したままで2枚の平面鏡を電動で動かして望遠鏡に光を導くことができる。適当な高さの台の上にシーロスタットをおき、一次鏡の回転軸(極軸)を地軸と平行に設置する。屈折望遠鏡の鏡筒を、シーロスタットの光路の中に取りつけ、二次鏡→望遠鏡鏡筒→スクリーンの順に太陽光線を導入する。スクリーンに記録用紙の円の直径と大きさをあわせて太陽像を結ぶように設置する。スクリーン上には、あらかじめ太陽像の中心を通る見かけの東西方向の直線を記入しておく。