8.ヒートアイランド

[目的]複数の地点で気温を測定することにより、その測定結果からヒートアイランド現象について考える。
[準備]温度計 温度計を入れる箱 うちわ
[操作]
1)公園等で、測定点の気温を測定する。
2)測定結果から地図に等温線を記入する。
[留意点・工夫点]
 
図のような直射日光をさえぎる箱を画用紙でつくるとよい。
温度計は、測定点の数だけ用意する。
温度は、1/10℃まで目測する。
全ての温度計が同じ温度を示すかどうかを調べておき、異なる温度を示すものがあれば、基準とした温度計から何度ずれているかを調べておく。
広い場所で、できるだけ均等に散らばった測定点を設けて、同時刻に測定する。
測定点の数だけ温度計がそろわなかったり、人数が足りない場合には、1つの班がいくつかの測定点を順番に測定し、その時刻も記録していく。この場合、1か所を基準とし、測定の始めから終わりまでの、この地点の気温の時間変化を読みとり、この値を時間による測定値の補正に利用する。
測定はできるだけ身体から離して、直射日光をさけ、地表から1.5m付近で測定する。
数回測定して平均をとる。
ヒートアイランド現象
   ヒートアイランド現象とは、都市気候現象のひとつで、地表付近での都市部の気温が周辺部より高いことをいう。これは、地図上に等温線を記入すると同心円的な形状になるので、海洋中の島の等高線からの類推でヒートアイライド(熱の島)と呼ばれている。
その原因は、都市では、
 @建造物や舗装された道路が多く、日中、吸収した太陽熱を夜間になって徐々に放出するので地表付近では熱がたまりやすい。
 A冷暖房設備の増加による人為的な熱が排出され、たまりやすい。
 B建造物や舗装された道路の増加で緑地や裸地が少なく、水分の蒸発により気化熱が奪われ周囲の気温を下げる効果が小さい。
 などが考えられている。それ以外に、都市の上空にただよう大気汚染物質などによる温室 効果や、高層建築の増加により起伏が激しくなり換気しにくい状態になっているため、熱が残りやすいことなども考えられる。
  ヒートアイランドは、年々強度が増し、特に季節変化では冬の気温に、日変化では最低気温にその影響が大きく表れている。