3.地層の見方

[目的]野外へ出て、地質を調査する。
[準備]地形図(2万5千分の1) ハンマー クリノメーター 巻尺 ルーぺ
[操作]
1)露頭(地層が見られる場所)を探す。
2)地層を観察し、走向・傾斜を測定する。
3)試料を採集する。
[留意点・工夫点]
地層が見られる場所は、必ずしも道があるとは限らないので、野山や川などを歩ける服装がよい。ポケットの多いものが便利。
調査計画を立て、地形図により調査地の地形のようすをあらかじめ理解し、地学案内書などの資料にも目を通しておくとよい。崖が多く見られる調査ルートを決め、時間に余裕をもった計画を立てる。
事前に自分の歩幅の大きさを調べておき、長い距離は歩数を数えて測定(歩測)する。このとき、歩幅ができるだけ変化しないように歩く。また、歩数と距離(m)の関係の表をつくっておくと便利である。
地層の観察のしかた
 a)地層から離れて露頭全体を見渡して、地層の構造とようすをつかむ。
 不整合・断層・しゅう曲・地層の傾斜などがあるか。
 風化が進んで割れ目がどのように入っているか。
 地層(岩石)の色や崖の面の凹凸に注意する。
 このような観察をもとに崖全体をスケッチするとよい。
 b) 地層(岩石)に近づき、手触りやルーペで詳しく調べる。
 地層(岩石)の種類は何か。
 色・硬さ・その他特徴を調べる。
 地層の厚さを測る。
 クリノメーターで地層の走向と傾斜を測定する。
 風化による割れ目の入り方をみる。
 化石は含まれているか。
露頭の場所と地層(岩石)の種類を地形図に書き込み、同じ地層がどう続いていくかを注意してみる。この地図をルートマップといい、これによって地層の広がりがわかる。
むやみに、地層や岩石をハンマーでたたいて自然を破壊しない。(所有者に許可を得る)
採集した岩石には、マジックペンで記号を付し、採集した場所(地形図)に同記号を記入しておくとよい。
クリノメーターの使い方
a)走向の測定
   水平にしたクリノメーターの長辺を、地層の層理面に当て、クリノメーター全体が水平になるように水準器で調整する(下図左)。このときの地層に接したクリノメーターの長辺の方向が走向で、外側の目盛りによりN(北)からE(またはW)への磁針の指す角度を読みとる。NからEの方向へ30°のときはN30°Eと表す。クリノメーターは、E(東)とW(西)の方向が実際の方位とは反対になっているので注意する。また、地図上に記入する際には,真北からの磁北の偏角を補正する必要がある。
b)傾斜の測定
   立てたクリノメーターの長辺を走向に直角になるように層理面におく(下図左)。このときの地層の傾斜は、おもりの指す角度を内側の目盛りで読みとる。南東へ40°の傾斜の場合は、40°SEと表す。