31.オーキシンの働き

[目的]植物の成長ホルモンとしてよく知られているオーキシン濃度と、種子の発芽、および植物体の成長との関係を調べる。
[器具・材料]
 シャーレ ろ紙
種子 インドール酢酸溶液(希釈例(%):10-1 10-3 10-5 10-7 10-9
[準備および操作]
1)蒸留水に種子をひたし、発芽させる。(暗所に保存)
2)発芽して数pに成長した幼葉鞘を切りそろえ、それぞれの液に入れ暗所に一昼夜おく。
3)各液の幼葉鞘の長さを測定する。
[留意点・工夫点]
種子にはダイコン、タマネギ、ムギ、トウモロコシなど使用できる。
マラカスムギの種子はまっすぐに伸び、測定に都合がよい。
各濃度のインドール酢酸は、原液を100倍に希釈し、それをさらに100倍に希釈することを繰り返して調整する。
 
インドール酢酸は水に難溶なので、あらかじめエタノールで溶かしてから水で希釈するが、エタノールを使用すると発芽、発根に影響が出るので、できるだけエタノールの使用は少ない方がよい。
インドール酢酸の代わりに、インドール酢酸カリウムを使用するとエタノールを使用しなくても容易に溶ける。
インドール酢酸溶液は、光などの影響で変質しやすいので直前に作る方がよい。短期間の保存は冷蔵庫、暗室でする。
手製カッター(写真)を作ると、切りそろえやすい。
測定を正確に行うため、曲がっている幼葉鞘は2本のものさしに挟んで測定する。ノギスを使用すると精密な値が得られる。
インドール酢酸の濃度による、発芽率、胚軸・幼根の成長との関係を調べる実験もある。発芽、胚軸・幼根の成長にはそれぞれ適した濃度がある。幼根は胚軸よりも薄い濃度でより成長する。