22.ショウジョウバエの観察

[目的]ショウジョウバエの突然変異形質を観察することによって遺伝の基礎を学ぶ。
[器具・材料]
 選別板 実体顕微鏡 飼育ビン
ショウジョウバエ ジエチルエーテル
[準備および操作]
1)麻酔をかけたハエを選別板の上に置き、雌雄を選別する。
2)未交配の雌を取る。
 
3)形質の違う雄と雌を交配させる。
4)次代の形質発現数を調べる。
  培地の処方
・水
・寒天
・ドライイースト
・プロピオン酸
(パラオオキシ安息香酸ブチル+
            70%アルコール)
1)ビンの口に栓をし、乾熱滅菌する。
2)培地は熱いうちに分注し、栓をしてオートクレーブで滅菌する。
3)培地の栄養価を高めるため、砂糖の代わりに黒砂糖を使ったり、コーンミルや小麦粉を加えたりしてもよい。
4)培地は翌日から使用し、1〜3日で使い切る。
[留意点・工夫点]
ハエを死滅させないため、飼育ビンの洗浄には洗剤を使わない。栓はスポンジ、布団綿(脱脂綿は湿気を吸うので適さない)をさらしで包んだものを使う。
飼育ビンはサンプル管が軽くて扱いやすいが、牛乳ビン等を利用してもよい。
選別板は、白い紙でもよい。
ショウジョウバエ飼育用寒天粉末(これだけで培地となる)や飼育ビン用スポンジキャップも市販されている。
交配させる場合の麻酔はできるだけ軽くし、観察のみの場合は充分してよい。ジエチルエーテルは雄が不妊になることがあるので、トリエチルアミンが扱いやすい。
麻酔の方法は、ハエを移し変えず、飼育ビンの麻酔用栓の工夫として図のようなものがある。コルク栓を付け換える方法もある。
ハエ捨てビンとしてエタノ―ルを入れたものを用意する。
雄は高温になると生殖能力を失うので25℃程度で飼育する。
羽化して8時間を越えると交配している可能性があるので、それまでに雌雄を選別する。
さなぎの段階で一匹ずつ小さなサンプル管に入れ、栓をして羽化させ、雌雄を選別する方法もある。