20.細胞融合

[目的] 植物細胞のプロトプラスト(植物細胞の細胞壁を取り除いた姿)を作り、細胞融合させる。
[器具・材料]
 エッペンドルフチューブ パスツールピペット 温度計 アスピレーター
植物材料(アロエ パプリカ 紫キャベツ ほうれん草 サニーレタス チンゲン菜等)
酵素液 PEG液
[準備および操作]
1)プロトプラストの作製
@材料をよく洗い、表皮や果皮を3o角に切り、エッペンドルフチューブに酵素液と共に入れ、アスピレーターで吸引する。その後、30℃の湯につけ5分ごとにチューブを手で、軽く振りながら30分間反応させる。
Aチューブを強く振り、数分間静置する。
B液を1滴、スライドガラスに落とし、顕微鏡で観察する。
2)細胞融合
@スライドガラスの中央に融合させる2種類のプロトプラストを1滴ずつ置き、2つの試料をよく混ぜる。周辺4カ所に、PEG液を置く。
A糸を引くようにPEG液と、プロトプラスト液を静かに混合する。
B低倍率で接着・融合細胞をさがして、観察する。細胞融合を確認出来ない場合、PEG液を追加する 。
酵素液(蒸留水80ml)
マンニトール(0.5mol)  9.1g
セルラーゼ        1.0g
マセロザイム       0.2g
ペクトリアーゼ      10mg
塩化カリウム(3.5%)   3.5g
塩化カルシウム(0.5%) 0.5g
PEG液
ポリエチレングリコール4000(40%) 40g
塩化カルシウム         55.5mg
[留意点・工夫点]
ポリエチレングリコールが溶けにくいときは、温める。
この方法で行えば振とう器など使わなくてもできる。
材料は色の異なるものを使うと細胞融合の様子がよくわかる。