[留意点・工夫点] |
A. | 材料の発根 |
| タマネギ、ニンニク、ヒヤシンス、ワケギ等では比較的簡単に、多量の根端を得ることができる。発根させるには水栽培の要領で行い、数日で採取可能となる。材料によっては、入手時期、発根時期に充分注意をしなければならない。 |
@ | タマネギ 2n=16 |
* | 1学期(4月〜7月上旬)実験の場合 |
| 5月から7月にかけて市販されている当年産のタマネギは発根しないので、前年度に発根させ保存したものを使用するか4月〜5月上旬にかけて市販されている寒冷地で収穫された前年度産タマネギを購入するとよい。 |
* | 2学期以降実験の場合 |
| 5月下旬から6月上旬に収穫期を迎える当年産タマネギは堀りあげ後一ヶ月以上経ておれば2学期以降の実験には使用できる。(冬を超えていない場合は10℃前後で一週間くらい休眠させてから発根させるとよい)この時期に発根させ保存しておくと次年度1学期早々に行う実験に使用できる。 |
* | 発芽抑制処理されたものもあるので注意する。 |
* | 2〜3日で発根するので根端を1cm程度切り取る。(長く伸びすぎると成長が終わり分裂細胞が少なくなる) |
* | 褐色の皮を取り除き水につけて置くと発根するが、一度根を切り取ったものでもリン葉をはいでやると繰り返し発根する。リン葉を多めにはいだり、上部を切り取ると発根が多い。 |
* | 根を取った後のタマネギはリン葉の観察に再利用できる。 |
* | ペコロス(小タマネギ)・・・5月に発根する。秋には発根しない。発根のさせ方はタマネギに準ずる。 |
A | ニンニク 2n=16 |  |
* | 薄皮を剥いで虫ピンで発砲スチロールに固定し、水栽培するとよい。(頻繁に水を入れ替える) |
* | 10月頃栽培用を購入すると発根する。 |
B | ヒヤシンス 2n=16 |
* | タマネギに比べると染色体が大きく観察しやすいが、かなり高価である。 |
* | 9〜3月にかけて発根しやすいので水栽培する。薄皮をはいで水につけると発根もよく、水も濁りにくい。観察の1週間ぐらい前から準備する。発根はタマネギより多い。 |
* | 球根を店頭で購入できるのは、8月末から年内である。水温15℃を下まわる時期(10月末頃)に水栽培するとよい。 |
C | チューリップ 2n=24(36) |
* | 球根の市販は8月末から翌年1月まで。水栽培には早咲きで矮性の品種が適している。10月中旬に開始するのがよい。 |
D | テッポウユリ(その他ユリ) 2n=24 |
* | ユリ類は染色体が特に大きく分裂像が見やすい。球根の市販は9月末から翌年3月頃まで。根端利用には水栽培がよい。特にテッポウユリ、スカシユリ、オトメユリが適している。普通の水栽培は、10月下旬か11月上旬からはじめる。ユリの球根は、適度の湿気を保って貯蔵しなければならない。春から夏にかけて材料を得るには、
(ア)珠芽をとり発根させる。
(イ)木芽をとり発根させる。
(ウ)鱗片挿しをして、小球を形成させてその根を利用。1ppmベンジルアデニンを鱗片にぬると、小球が生じやすい。 |
E | ソラマメ 2n=12 |
* | プランターなどに、おがくず、ピートモスなどを4cm厚さに敷きつめ、湿らせておく。一昼夜水に浸した種子を表面から1cm程度に植えつける。腐りやすいので余分の水を残さないように注意する。一週間くらいすると側根が出てくるのでこれを利用する。 |
F | ヌマムラサキツユクサ 2n=12 |
* | 親株はまず水で根をよく洗う。株をバラバラにし、古い根を根元から切り取る。これをおがくずなどの苗箱に5cm間隔で植える。1週間〜10日で発根し、1株あたり5〜10本の根が採取できる。 |
G | その他の材料 |
a) | 各種タネ |
* | 時期を問わず発根させるには便利だが、細胞が小さいため観察しにくい。 |
* | タマネギは9〜11月、ネギはいつでも市販されている。 |
* | ネギは一晩水に浸しておいたものを蒔く。3〜4日で発根。1〜2cmに伸長したものを利用する。 |