[目的] | 生きている細胞の原形質流動を観察する。 |
[材料] | オオカナダモ等 |
[準備および操作] |
| 葉緑体が少ない上部の若い葉を1枚取り、水で封じる。葉緑体が一方向に動くのが見られる細胞を探し、動きを観察する。 |
<発 展1>原形質流動を計算する |
| 葉緑体が接眼ミクロメーターの一定の間隔を何秒で移動するのかを数個の細胞について測定し、平均値を出す。 |
<発 展2>インスタントコーヒーによる原形質流動の変化 |
| コーヒーの水溶液を滴下すると流動の速度が速くなり、その後、一時的に遅くなる。やがて、元の状態に戻る。これはコーヒー中のカフェインが関与していると考えられる。 |
[留意点・工夫点] |
* | 他にシャジクモ、ムラサキツユクサ・ムラサキゴテンのおしべの毛、タマネギの表皮、大根の葉の毛、かぼちゃの茎の毛、アメーバでも観察できる。 |
* | オオカナダモは、早朝や天気の悪い日・低温時は、流動が観察されないことが多い。この場合、水温を上げたり、近くから光を当てると良いが、強い光を当てると葉緑体が一箇所に集まり観察しにくくなるので注意する。 |
* | オオカナダモは中肋表皮細胞の流動が活発である。また、細長く速度を量るのに都合がよい。しかし、細胞が重なっているのでピントが合せにくい。トゲの部分は一層なので、観察しやすい。 |
* | シャジクモは節と節との間が一つの細胞(節間細胞)なので、途中で切らずに検鏡する。 |
* | ムラサキツユクサの花は、日が当たり始めるとしぼむので、午後に実験したい時は朝に採取し、湿ったろ紙を敷いたフタ付きシャーレに入れ冷蔵庫で保存しておく。 |
* | ムラサキツユクサの開花時期をずらしたい時は一度刈り込むと良い。ムラサキゴテンは開花時期が長い。増やしたい時は株分け・挿し芽を行う。 |
* | 染色液を使用すると細胞が死滅するので、使わない。 |
* | 生きている細胞の原形質の部分では、絶えず葉緑体が流動している現象(原形質流動)が見られる。これは細胞が単なる小体ではなく、生活活動の場であることを知ることができる。 |