3.細胞の観察

[目的]細胞の基本的な構造、また細胞の特徴を顕微鏡で観察する。
[薬品]ヨウ素ヨウ化カリウム溶液 酢酸オルセイン溶液 メチレンブルー溶液
[準備および操作]
A.デンプン粒の観察(バナナ・ジャガイモ)
 それぞれ、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液で染色後、検鏡する。また、バナナは完熟と未熟なもの両方をそれぞれ検鏡し、比較する。
 <発展>らせん状道管の観察
   バナナの皮と身の間にある筋を検鏡すると、らせん状の道管が見られる。
B.カロテンの観察(ニンジン・トマト)
 カロテンを含む細胞を検鏡する。
C.植物細胞の観察(玉ねぎ・オオカナダモ)
 玉ねぎは内側のリン葉を剥ぎ取り、オオカナダモは若い葉を1枚とり、それぞれ検鏡する。
玉ねぎは酢酸オルセイン溶液で染色する。また、水で封じたものと染色した細胞を比較する。
 <発 展>玉ねぎの細胞の大きさ
   玉ねぎの細胞の大きさは場所によって違うので、細胞や核の大きさを測り比較する。
D.口腔上皮細胞
 爪楊枝の先端が丸い方で頬の内側を軽く擦り、スライドガラスの上になすりつけ、少し乾かしてからメチレンブルー溶液で染色後、検鏡する。
[留意点・工夫点]
果肉は薄くスライスしたり、柔らかくほぐしてから使用する。
薄いヨウ素ヨウ化カリウム溶液を使用しないとデンプン粒の中の輪が見えない。
口腔上皮細胞は、粘液に含まれている。軽く擦っただけでたくさんの細胞が取れるので、きつく擦らない。
玉ねぎのリン葉が丸まらないように注意して封じる。
染色液は酢酸オルセイン溶液の代わりに酢酸カーミン溶液でもよい。
染色液は付着すると落ちにくいので、顕微鏡用具セットに入れず、授業前に教卓より持って行かせ 、終了後回収すると汚れなくてよい。
<参 考>(参照 一般編「試薬の調製」
染 色 液用  途備  考
酢酸オルセイン溶液核(赤)酢酸カーミンより染まりが良い
酢酸カーミン溶液核(赤)オルセインよりカーミンは安価である
メチレンブルー溶液核(青)・ペクチン細胞壁(青)濃すぎると見えにくくなるものもあるの で、実験に応じて濃度は調製する
ピロニン・メチルグリーン溶液DNA(青) RNA(桃)染め分けができる