[目的] | セルロースをニトロ化し、生成したニトロセルロースを燃焼させることによりニトロ化合物の性質を確認する。 |
[薬品・材料] |
| 濃硫酸 濃硝酸 油取り紙(化学繊維でないもの) |
[器具] | シャーレ 水槽 メスシリンダー ピンセット 時計皿 |
[操作] |
1) | シャーレに濃硝酸を取り、等量の濃硫酸を少しずつ穏やかに混ぜ、混酸をつくる。 |
2) | 油取り紙をピンセットで取り、混酸の中に数分間浸す。 |
3) | 浸した油取り紙をピンセットで取り出し、流水中で洗って、完全に酸を取り除く。 |
4) | できたニトロセルロース紙を日陰で乾燥させる。 |
5) | 乾燥させたニトロセルロース紙を時計皿におき、マッチで火をつける。 |
[留意点・工夫点] |
☆ | 油取り紙は、セルロースのみのものを用いる。化学繊維の入ってないものが望ましい。 |
☆ | 混酸の中に浸す時間は、油取り紙の成分がセルロースのみで、化学繊維を含まない場合は2分程度であるが、その成分の違いにより20分程かかったり、また、直前に調製したものより、混合してからしばらく置いておいた混酸の方がニトロ化が速い。 |
★ | ピンセットは金属性でないものの方がよい。割り箸などで代用できる。 |
★ | 大量に作る場合は、シャーレの代りにトレイ等を使用してもよいが、油取り紙を同時に何枚もニトロ化すると、油取り紙同士がくっついてしまうので、重なった部分がうまくニトロ化されない。 |
★ | ニトロ化したあとの油取り紙は、水で充分にもみ洗いして、残存する酸を取り除いておくこと。酸が残っていると、燃焼の際、酸の気化に熱エネルギーが奪われ、燃焼がスムーズに進まない。 |
★ | あらかじめ、水槽に水を入れておいて、その中で水洗いしてもよい。 |
★ | 脱脂綿などを用いてのニトロ化と違い、この方法ではセルロースとして、油取り紙という極めて薄い形状のものを用いるため使用する薬品が少量ですみ、染み込みやすく、反応が2〜3分間という短時間で完結する。また、燃焼が面で確認できて観察しやすい。 |