58.デンプンの性質

[目的]多糖類であるデンプンの性質と加水分解を、ヨウ素デンプン反応を用いて調べる。
[薬品]デンプン フェーリング液 ヨウ素ヨウ化カリウム 硫酸 炭酸ナトリウム
アミラーゼ
[操作]
a.性質を調べる。
1)デンプン水溶液にフェーリング液を入れ、穏やかに加熱して変化を観察する。
2)デンプン水溶液にヨウ素ヨウ化カリウム水溶液を加え、変化を観察する。
b.希酸で加水分解する。
1)デンプン水溶液に希硫酸を入れ、穏やかに煮沸する。一定時間ごとに水溶液を試験管に取り炭酸ナトリウムで中和してからヨウ素ヨウ化カリウム水溶液を入れて変化を観察する。
2)ヨウ素デンプン反応が見られなくなったら水溶液を冷ました後、炭酸ナトリウムを加えて中和する。さらにフェーリング溶液を入れて穏やかに加熱し変化を観察する。
c.アミラーゼで加水分解する。
 デンプン水溶液にアミラーゼ水溶液を加えて振り混ぜ温水に浸ける。反応開始から一定秒ごとに水溶液を取り、ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液を加えて色の変化を観察する。
[留意点・工夫点]
試薬のデンプンはアミロペクチンを多く含むので、ヨウ素との反応が赤紫色になることが多い。さつまいもデンプンとヨウ素との反応はきれいな青色になる。
デンプンの代わりに市販のフエキのり(チューブ入り)を使う。1cmぐらい取り出して15mlの水に溶かして使うとヨウ素デンプン反応が青く出る。
デンプン水溶液は胃薬でも加水分解できる。身近な胃薬を使って実験しても面白い。
ヨウ素デンプン反応は、水溶液が冷えていないと呈色しない。
アミラーゼによるデンプンの加水分解はかなり速く進行するので、見落とさないように観察する。
アミラーゼは、だ液中にも存在する。
加熱するときは沸騰石を入れ、突沸に注意してよく振りながら加熱する。
フェーリング反応で液が沸騰しても変化がなければ「変化なし」とし、加熱をやめる。