34.両性金属元素

[目的]代表的な両性元素として亜鉛とアルミニウムの化学的性質を調べる。
[薬品・材料]
 亜鉛片Zn アルミ箔Al 硫酸亜鉛ZnSO4 硫酸アルミニウムAl2(SO4)3
硫化ナトリウムNa2S アンモニアNH3水 水酸化ナトリウムNaOH
塩酸HCl 硝酸HNO3
[操作]
1)アルミニウム、亜鉛の単体と酸・塩基との反応を調べる。気体の発生するものは、 試験管にゴム栓をのせて気体をため、マッチの火で点火する。
2)硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムの性質を調べる。反応後、硫化ナトリウムを加える。
[留意点・工夫点]
亜鉛は新しいと反応しにくいので、一度反応させたものを再使用する。実験終了後再び回収する。
沈殿、溶解が少量で変化するため、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水は沈殿ができるのを見 逃さないように滴下する。また硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムは水酸化ナトリウムを過剰に加えると、白 色沈殿が溶け無色透明の錯イオン溶液になる。
硫化ナトリウム水溶液の代わりに硫化アンモニウム水溶液の使用も可能である。 ただし硫化アンモニウム水溶液は出来るだけ薄い方がよい。
硫化ナトリウム水溶液の代わりに硫化水素(気体)や硫化水素水の使用も可能である。ただしドラフト内で使用する。
アルミ箔と水酸化ナトリウムの反応が遅いときは、少し加熱するとよい。
アルミ箔はアルミ缶で代用できる。ジュースやビールの缶のコーテイングを濃硫酸につけて除去し てから使う。あまり一度にたくさんつけると、刺激臭が発生するので注意する。少し金属面が出ればよ いので、サンドペーパーで磨いてもよい。
<参考1>
 両性元素
  金属元素のうち亜鉛、アルミニウムなどの単体やその化合物は酸とも塩基とも反応する。このような元素を特に両性元素と言う。
 
<参考2>
 不動態
  金属表面が安定な酸化物被膜に覆われて、不活性な状態になることをいう。アルミ箔が濃硝酸に反応しないのはこのためである。