25.酸化還元反応 |
[目的] | いろいろな酸化剤・還元剤の反応を通じて酸化還元反応を調べ、酸化剤・還元剤の酸化数の変化を考察する。 |
[薬品] | 過酸化水素水H2O2 過マンガン酸カリウムKMnO4 二クロム酸カリウムK2Cr2O7 塩化スズ(U)SnCl2 硫酸鉄(U)FeSO4 亜硫酸ナトリウムNa2SO3 ヨウ化カリウムKI 塩化鉄(V)FeCl3 ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウムK3[Fe(CN)6] エタノールC2H5OH |
[操作] |
1) | 硫酸鉄(U)水溶液を3本の試験管に取り分け、 |
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| @ 希硫酸と過酸化水素水 |  | をそれぞれ加える。 |
| A 硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液 |
| B 硫酸酸性二クロム酸カリウム水溶液 |
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2) | 亜硫酸ナトリウム水溶液に硫酸酸性
過マンガン酸カリウム水溶液を加える。 | 2)
 | 3)
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3) | ヨウ化カリウム水溶液に硫酸酸性過
マンガン酸カリウム水溶液を加える。 |
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| @ 塩化スズ(U)水溶液を加えた後、ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウム水溶液を加える。 |
| A ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウム水溶液を加える。 |
| | @
 | A
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5) | 硫酸酸性二クロム酸カリウム水溶液にエタノールを加えて熱水の中で温める。 色、臭いの変化を観察する。 | | 5)
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[留意点・工夫点] |
☆ | 色の変化が顕著な実験なので、必ず予備実験をして各試薬を確認しておく。 |
☆ | 過マンガン酸カリウム水溶液の試薬瓶の汚れは、過酸化水素水と希硫酸を混ぜたもので取れる。 |
☆ | 古くなった過マンガン酸カリウム水溶液はろ過して再使用できる。濃度は多少薄くなる。 |
☆ | 洋服に過マンガン酸カリウム水溶液がついたときは、薄いシュウ酸をつけてから過酸化水素水で拭くと取れる。後はよく水洗いしておくこと。 |
☆ | 硫酸鉄(U)はすぐに酸化されてしまうので、必ず必要時に必要量だけ作る。 |
☆ | 硫酸アンモニウム鉄(U)(モール塩)を硫酸鉄(U)の代わりに使用できる。(硫酸鉄(U)より酸化されにくい) |
★ | 定性実験なので、細かく体積や濃度にこだわる必要はない。スポイト瓶のスポイトが1回約1mlと覚えておくと便利。 |
★ | 薬品が混じってはいけないので、駒込ピペットなどは色分けしておくとよい。 |
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硫酸酸性過マンガン酸カリウム水溶液の作り方の例 |
| 0.01〜0.05mol/l過マンガン酸カリウム水溶液と1mol/l硫酸を5:2の割合で混ぜる。 |
硫酸酸性二クロム酸カリウム水溶液の作り方の例 |
| 0.01〜0.1mol/l二クロム酸カリウム水溶液と1mol/l硫酸を5:2の割合で混ぜる。 |
| | *直前に混合する。 *硫酸は過剰気味に加えるとよい。 |
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塩化スズ(U)水溶液(1mol/l)の作り方 |
塩化スズ(U)11.3gを濃塩酸17mlに溶かして純水を足して100mlとする。作り立てで白濁しているときは、一晩おいて上澄み液を使用する。スズ粒を入れて保管する。古くなると還元作用を示さなくなるので注意。薬品は冷蔵庫保存。
古いもので乳白色に固まったものは濃塩酸で少しずつ溶かすと使用できる。
(濃塩酸に溶かし、最終的に2mol/l塩酸に溶けているように水を足す。) |
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硫酸鉄(U)水溶液の作り方 |
硫酸鉄(U)を純水に溶かしただけでは、溶液がやや黄色がかっているので、硫酸を数滴落とすと無色に近い緑青色となる。新しい釘を1本入れておくと数日は酸化が防げる。 |
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