20.化学反応の速さ
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[目的] | 化学反応の速さが濃度・温度などの条件によってどのように変わるかを調べる。 |
a.過酸化水素水の分解反応 |
[薬品] | 過酸化水素水H2O2 二酸化マンガンMnO2 |
[器具] | ふたまた試験管 メスシリンダー ゴム栓付き気体誘導管 水槽 |
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[操作] |  |
1) | 発生する気体の体積を一定時間毎に測定する。 |
2) | 過酸化水素水の濃度、温度、二酸化マンガンの量を変えて測定する。 |
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[留意点・工夫点] |
☆ | 市販の過酸化素水素水は冷暗所に保管する。生徒実験用に小分けするときは、褐色瓶に入れる。 |
☆ | 過酸化水素水は長期間保管すると濃度が薄くなる。実験には新しいものを使用する。 |
☆ | 反応をゆっくりさせるには、過酸化水素水に0.1mol/lリン酸一ナトリウムNaH2PO4を100mlにつき1ml加えるとよい。 |
☆ | 試薬を直接メスシリンダーに入れ、洗剤を混ぜて反応させ、泡の体積を測る方法もある。洗剤は泡の出やすい中性洗剤がよい。 |
★ | ふたまた試験管は、その都度乾燥したものを使用する。 |
★ | ふたまた試験管をはさむクランプは方向自在クランプを使うと便利である。 |
★ | メスシリンダーに体積記録用のテープを貼り付けるとよい。テープは、メンディングテープを使うと、鉛筆で書けて消しゴムで消え、その上はがしやすい。 |
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b.ヨウ素の生成反応(時計反応) |
[薬品] | ヨウ素酸カリウムKIO3 亜硫酸水素ナトリウムNaHSO3 デンプン |
[器具] | メスシリンダーまたは目盛り付き試験管 |
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[操作] |
1) | デンプンを含む亜硫酸水素ナトリウム溶液とヨウ素酸カリウム溶液を混ぜ、発色するまでの時間を計る。 |
2) | 濃度・温度を変えて同様に測定する。 |
[留意点・工夫点] |
☆ | ヨウ素酸カリウムは特級の方がよい。 |
☆ | ヨウ素酸カリウム水溶液は、濃度が薄いと反応が起こらなかったり、時間がかかったりするので注意する。 |
☆ | ヨウ素酸カリウムの濃度は、季節によって調節した方がよい。 (夏季水温22℃の時、濃度×0.8) |
☆ | ヨウ素酸カリウムは長期保存が可能であるが、亜硫酸水素ナトリウムは不可能であるため
必ず新しいものを作る。 |
☆ | デンプン溶液は作ってからあまり時間が経たない方がよい。加水分解されたりその他の反応が起こり、デンプン溶液が青色にならずに茶色になるときがある。 |
☆ | 条件により反応時間が変化するので、予備実験をする方がよい。 |
★ | 溶液を混ぜ合わせる際、三角フラスコやコニカルビーカーを用いると、撹拌しやすく、こぼれにくい。 |
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<参考1> |
| 時計反応 |
| | 一定時間が経過した後、変色、沈殿の生成などの著しい変化を起こす反応。
この実験の場合、温度またはヨウ素酸イオンと亜硫酸イオンの濃度を変化させて混合すると、時間をお
ってヨウ素を生成し、色が変わるのが観察できる。 |
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<参考2> |
| ヨウ素デンプン反応 |
(デンプン) | (反応色) | (水溶液を加熱する) |
可溶性デンプン | 赤紫 | 完全に溶ける |
さつまいもデンプン(わらびもち粉) | 青紫 | 完全に溶けずに白っぽく |
じゃがいもデンプン(片栗粉) | 青紫 | にごる |
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| ※ヨウ素の濃度が濃いと黒く見えることがある。 |
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