<参考2> |
放射線とその危険性 |
・ | 放射線の種類と性質 |
| 陽子と中性子が小さな原子核にまとまっているのは、陽子や中性子の間に核力とよばれる強い結合力が働いているからである。しかし、核力はクーロン力と違って、ごく近い範囲内で作用するので、原子核が大きくなると、陽子同士の反発力が強く現れ、原子核は不安定になる。また、原子番号が小さくても、不安定なものもある。これらの原子核は、安定な原子核になるまで、放射線を出しながら崩壊を続ける。 |
種類 | 本体 | *電離作用 | 透過力 |
α線 (α崩壊) | エネルギーの大きなヘリウムの原子核
原子核は質量数が4、原子番号は2減少する。 | 強い | 弱い |
β線 (β崩壊) | エネルギーの大きな電子 e- 原子核の質量数は変わらず、原子番号が1だけ増える。 | 中 | 中 |
γ線 (γ崩壊) | 波長の短い電磁波(10-13〜10-10m) 原子核の質量数、原子番号とも変わらない。 | 弱い | 強い |
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| *電離作用:原子や分子をイオンにする作用 |
| 現在では、大気圏外からの宇宙線、人工的なX線、電子線、中性子線なども、放射線とよばれている。中性子線は原子炉によって得られ、透過力が極めて大きいので、鉄やコンクリートの壁なども透過してしまう(鉛は、透過しない)。 |
・ | 放射線の危険性 |
| 放射性同位体から出る放射線は、生物体の細胞内の物質を破壊する作用があるので、放射性原子の取り扱いには充分な注意が必要である。α線の空気中の飛程は、10p前後で、β線もそれほど長くなく、衣服で止まる。外部から人体に照射した場合、α、β線は皮膚などの表面に影響を与え、γ線は体内に深く侵入して原子や分子に作用をする。また、体内に取り込まれた(手についたものが口に入る)同位元素の場合、α線を出す同位体のなかには骨に吸収され沈着するものが多く、骨髄に障害を与えるので特に危険である。 |
・ | 実験中の注意 |
| @ 放射線源に絶対に触れない。実験後、よく手を洗う。 |
| A 放射線源にはなるべく近づかない。 |
| B 放射線源は、使用時以外、鉛板などでシールドを施す。 |
| C 放射線源を破損することのないようにする。 |