42.交流回路

[目的]抵抗R・コイルL・コンデンサーCを含む交流回路を流れる電流と電圧を測定し、交流回路の理論を確認する。
 
[準備]交流電流計 交流電圧計 テスター 抵抗 コンデンサー
コイル 鉄心 電源装置
[操作]
1)コンデンサーの容量リアクタンスの測定
 @コンデンサーに交流電圧を徐々に上げていったとき、流れる電流値を測定する。
 A横軸に電流、縦軸に電圧のグラフをつくる。グラフの直線の傾きが容量リアクタンスとなる。理論値と比較する。
2)コイルの誘導リアクタンスの測定
 @コイルに鉄心をいれ、交流電圧を徐々に上げていったとき、流れる電流値を測定する。
 A横軸に電流、縦軸に電圧のグラフをつくる。グラフの直線の傾きが回路のインピーダンスとなる。
 Bコイルには抵抗があるので、この回路は抵抗とコイルの直列回路になる。テスターを用いてコイルの抵抗を測定する。
 C回路のインピーダンスからコイルの抵抗を引いたものが誘導リアクタンスとなる。理論値と比較する。
 D誘導リアクタンスの値より、コイルのインダクタンスを求め、理論値と比較する。
3)抵抗とコンデンサーの直列回路のインピーダンスと電圧の測定
 @回路に交流電圧を徐々に上げていったとき、流れる電流値を測定する。
 A横軸に電流、縦軸に電圧のグラフをつくる。グラフの直線の傾きが回路のインピーダンスとなる。理論値と比較する。
 B回路に交流電圧を一定にし、抵抗の両端の電圧VR、コンデンサーの両端の電圧VC、抵抗+コンデンサーの電圧Vを測定する。理論値と比較する。
[留意点・工夫点]
抵抗は20〔Ω〕、コンデンサーは電気容量220〔μF〕が適当である。
徐々に高くする電圧は2.0〔V〕、4.0〔V〕、6.0〔V〕、8.0〔V〕、10.0〔V〕がよい。
3の実験で加える電圧は、10〔V〕が適当である。
電圧は100〔V〕程度の大きい方がグラフが0点付近を通り、誤差が少ないが、これでは抵抗が焼き切れる。10〜30〔V〕程度が適当である。
すべり抵抗器はコイルが内蔵されているので、抵抗として使ってはいけない。
抵抗・コイル・コンデンサーの抵抗に当たるものができるだけ同じΩになるようにすると測定しやすい。
電圧計の代わりにオシロスコープを使うと、位相のずれも見ることができる。
インピ−ダンスZ〔Ω〕とは交流回路全体の抵抗に相当するもの、リアクタンスR〔Ω〕とは交流回路でのコンデンサーやコイルなどの個別の抵抗に相当するものである。
電気容量C〔F〕のコンデンサーの容量リアクタンスR〔Ω〕は、
 
( f は周波数で関西は60〔Hz〕、関東は50〔Hz〕)
コイルには直流分の抵抗 r 〔Ω〕と交流分の抵抗(誘導リアクタンスRL〔Ω〕)が重なっており、
      RL=2π f L
 コイルを含む交流回路のインピーダンス Z〔Ω〕は
 
   (Lはコイルの自己インダクタンス)
 自己インダクタンスL〔H〕は、コイルの誘導リアクタンスR〔Ω〕の測定値より、
 
R〔Ω〕の抵抗と電気容量C〔F〕のコンデンサーの直列回路ではインピ−ダンス ZRC
 
抵抗+コンデンサーの電圧VRCは抵抗の電圧Vとコンデンサーの電圧Vで表すと