39.電流が磁界から受ける力

[目的]電流が磁界から受ける力は、導体に流れる電流や導体の長さとどのような関係があるか調べる。
[準備]電磁力実験器(電流が受ける力測定器) 電流計 すべり抵抗器 U型磁石 電池
[操作]
1)図のように装置を配線する。
 
図のように電流を流すと右向きに力がはたらく。(フレミングの左手の法則)
2)スイッチが開いている状態でコイルとばねの間の糸を調節する。
3)ばねの上端と下端の目盛りを読む。
4)電流を流し、コイルが右に力Fで引っ張られたら、コイルが鉛直の位置(ばねの下端が操作2の位置)に戻るように、ばねの上の糸を力 f で引き、ばねの上端の目盛りを読む。
5)電流の大きさを変えて測定する。
6)電流の大きさを一定にして、コイルの巻数を変えて測定する。
[留意点・工夫点]
操作2の時、ばねを自然長に保ちながら、コイルとばねの間で糸がたるまないように、かつ、コイルが鉛直になるようにする。
電流が磁界から受ける力は、電流の大きさと磁界内にある導線の長さに比例している。
磁界の強さ(磁石の強さ)にも比例している。
導線の材質によって受ける力の大きさは異なる。
<関連実験>
 荷電粒子が磁界から受ける力を観察しよう
  [準備]銅の電極 硫酸銅水溶液 チョークの粉 シャーレ U型磁石 電池
  [操作]
  1)図のように配線し、チョークの粉の動きを観察する。
  2)U型磁石や電池の向きを変えてみる。
   
  [留意点・工夫点]
  シャーレに入るように銅板を切って、電極をつくる(A、B)。銅板には、はんだでリード線をつけておくとよい。
  硫酸銅水溶液の濃度は薄いものでよく、量は、シャーレに2/3ほどでよい。
  硫酸銅水溶液のかわりに、食塩水を使用するときには、電流を流すと塩素ガスが発生するので、換気に注意する。
  チョークの粉のほかに、けしの実、ゴマ、おがくず、コルクを削った粉などが利用できる。
  硫酸銅水溶液などの電解質溶液中に電極を入れると陽極に−イオン、陰極に+イオンが引き寄せられるため、電気が流れる。この電流が磁界から力を受け、荷電粒子は円運動する。荷電粒子の動く方向から、フレミングの左手の法則を確認できる。なお、動いている荷電粒子が磁界から受ける力をローレンツ力という。
 
<関連実験>
 モーターをつくろう
  [準備]エナメル線 クリップ 電池 磁石
  [作り方]
  @エナメル線を5〜6回程度巻いてコイルを作る。
  Aエナメル線の片方の端は全部、他端は半分だけエナメルをはがす。(これが回転子になる)
  Bクリップをのばし軸受けをつくり、電池につなぐ。直接クリップを電池にテープではりつけてもよい。
  C回転子をクリップにのせて、コイルに磁石を近づける。
   
  磁石や電流の向きを変えると、フレミングの左手の法則を確認できる。