36.メートルブリッジを用いた抵抗の測定 |
[目的] | ホイートストンブリッジの回路を用い、メートルブリッジ上の抵抗線の長さの比より未知抵抗の電気抵抗を求める。 |
[準備] | メートルブリッジ 電池 すべり抵抗器 抵抗箱 直流電流計 検流計 未知抵抗 テスター棒 スイッチ シャフト |
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[操作] |
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1) | すべり抵抗器の抵抗を調節して、わずかな電流を流す。 |  |
2) | 検流計に付けたテスター棒の先端をメートルブリッジの線に接触させ、検流計に電流が流れない点を見つけ、AC間の長さ とCB間の長さ の値を測定する。 |
3) | ホイートストンブリッジの回路を用い、未知抵抗の値を求める。 |
[留意点・工夫点] |
☆ | すべり抵抗器の抵抗を最大にして数10mAの電流を流す。 |
☆ | 検流計に電流が流れない点を見つけるときは、検流計を保護するために、シャフトを挟んだまま短絡(ショート)させてC点を探す。シャフトは、正確な点を決める直前にはずす。 |
☆ | 未知抵抗にはニクロム線・銅線・市販の固定抵抗などが使用できる。 |
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☆ | 未知抵抗はあらかじめテスターで概数を求めておき、抵抗箱の標準抵抗はこの値ともっとも近いものを選んで接続するとよい。値の桁が違うと誤差は大きい。 |  |
☆ | 未知抵抗として市販の固定抵抗を使うと、固定抵抗に描いてあるカラーコードで抵抗値が分かる(JIS規格)。例えば、標準抵抗100Ωを使用したいなら、固定抵抗は50〜200Ωを用いる。 |
☆ | 未知抵抗として金属線を使うと、長さと直径から導体の抵抗率も同時に求めることが出来る。 常温での導体の抵抗率 ニクロム線…1.09×10-6Ω・m 銅…・・・・・・・・1.72×10-8Ω・m 鉄…・・・・・・・・・9.80×10-8Ω・m |
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★ | メートルブリッジの製作 |
| [準備] 1m強の木の板 ニクロム線(直径0.28mm 長さ1m+α) 釘 メジャー |
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<関連実験> |
| 未知抵抗の代わりにガラスを取り除いた豆球を水に浸けて用い、水温を変化させて、豆球の抵抗率の温度による抵抗率の変化(温度係数)を求めることもできる。 |
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・ | フィラメントはタングステン。タングステンの抵抗の温度係数は 5.3×10-3[l/k] |
・ | 水温は10℃おきに測定し、100℃近くまで変化させる。温度を上げると抵抗は増す。 |
・ | 豆球の耐電圧は6.3Vなど大きい方がフィラメントが切れにくい。豆球の耐電圧を大きく超える電圧は掛けない。 |
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<参考> |  |
ホイートストンブリッジの検流計に電気が流れないとき、4つの抵抗の関係は、 |
となる。 |
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この結果を用いると、メートルブリッジの抵抗は一様な物質でできているので、 の長さの比と標準抵抗 と未知抵抗 の値の比は等しくなる。 |  |
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これより未知定数 は、 で求めることができる。 |
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