22.水面を伝わる波

[目的]水波投影装置を用いて、球面波(円形波)・平面波を水面上に作り、波の干渉・反射・屈折・回折等の現象を観察する。
[準備]水波投影装置 小球 丸棒 ガラス板(プラスチック板) パラフィンブロック ゴムホース
凸レンズ(水波用) すべり抵抗器 回転式ストロボスコープ
[操作]
1) 球面波の観察
 
 
2)平面波の観察
  
 
[留意点・工夫点]
水波投影装置の水槽の水は、1cm程度の深さにし丸棒や小球を水面ぎりぎりに接触させ、モーターを回転して波を作る。
水槽の内壁に反射防止装置(金網やスチールウール)を置くと、よけいな波を吸収することができる。
ガラス板や凸レンズは、水面から2〜3mm沈むように置き、小さな木片や金属を四隅に置いたり、水量を調節したりする。
モーターの回転軸にワニ口クリップやナットをつけたボルトを取りつけ、回転させるとモーター全体が振動する。モーターの回転を速くすると、振動数は大きくなり干渉模様が細くなる。クリップの位置を変えると振幅の調節ができ鮮明な像を作ることができる。
モーターの回転速度を変えるには、すべり抵抗器を用いて、モーターにかかる電圧を変化させるとよい。
連続波では観察しにくいときは、パルス波を作ると見やすい。丸棒を水に浮かせ手で上から
5mm程押し沈ませると平面波のパルス波、ボールペンの先などで水面を押しはずませたり、水を一滴落として球面波のパルス波をつくることができる。
回転式ストロボスコープの回転数を変えて観察することにより、静止した波やゆっくり進む波を見ることができる。
平面波による凹面反射(円弧状反射)の場合、反射後球面波になる。球面波が集中した所(円の中心)が焦点である。また、球面波による凹面反射の場合、反射後平面波になる。
水波の進行速度は、水深が浅いほうが遅い。水深の違う境界の部分で屈折する。
光がレンズで屈折するのと同じように、水波もレンズによって屈折し焦点が見られる。
投影方法は、光源を水槽の下に置き天井に写す方法や光源を水槽の上に置き机上に写す方法、またOHP専用に作られた投影装置を使用する方法がある。光源は、フィラメントが鉛直方向になるようにして置き、点光源にする方がよい。画用紙などで作った箱に穴をあけ電球のかぶせて点光源とする方法もある。