16.トリチェリーの実験

[目的]大気圧の測定をする。
[準備]トリチェリーの実験器 スタンド ガラス管 シリコンチューブ 大きめのバット
[操作]
1)U字形に折り曲げたシリコンチューブの底面から栓の上まで水銀を注ぐ。2)活栓を閉じ、シリコンチューブを下げて行き、h を測定する。
[留意点・工夫点]
全ての準備や実験は、バットの中で行うほうがよい。
水銀は一気に入れる。途中、空気が入らないようにする。
ガラス管内にごみがついていると水銀が細かく散らばりやすい。
水銀の扱い方・・・水銀蒸気が危険。風通しのよいところでガラス管に詰める。皮膚からの吸収も少しある。水銀がこぼれたときに集めやすいように、大きなバットの中で実験を行う。こぼしたときは、ちり取りとスポイドを使って集める(集めた水銀は別の容器に保存)。集め方には他に、セロテープにひっつける、銅アマルガムをつくる方法などがある。
スッと水銀柱が下がり760mmより数10mm短めで止まる。これは、ガラス管の壁に残っている小さな気泡の影響である。ガラス管を斜めにして中の水銀を上下させると、次第に気泡がとれてくる。ガラス管を元に戻して気泡を追い出し、再び実験をすると、760mmにかなり近づく。
ガラス管を傾けても常に760mmの高さは変わらない。
トリチェリーの実験器は市販されているが、内径5mm・長さ1mのガラス管、シリコンチューブなどで自作することができる。この場合、水銀量は、約20cm3(250g)となる。
<参考>
1気圧は760mmHgである。
大気圧は必ずしも1気圧ではない。
トリチェリーの真空の説明には、一般に図のような装置が用いられている。