10.運動量保存の法則

[目的]2台の力学台車が衝突、結合、反発をするときに運動量保存の法則が成り立っていることを確認する。
[準備] 力学台車(2台) 記録タイマー(2台)・テープ おもり(4個) 木槌 はかり 木片
クランプ
[操作]
1.台車AとBを衝突させる。
 
2.台車AとBを結合させる。
 
3.台車AとBを反発させる。
 
[留意点・工夫点]
1の場合、台車AおよびBの運動を記録するテープは、重ならないよう、車輪で踏まないように注意する。
記録タイマーを作動させ、Aを走らせてBに衝突させる。
 
2の場合、台車の結合部分にマジックテープを使う。粘土・針金を使用する方法もある。
 
2の別方法として衝突後合体させるかわりにおもり(砂袋)を途中で載せる方法もある。
 
記録タイマーのスイッチを入れた後、台車Aを手で押し、Bに衝突させる。この時Aを押す距離はなるべく短くすること。
テープの打点間隔が大きく変化したところが衝突したところである。
台車AやBにおもりを載せることにより質量をいろいろと変化させ、どのような場合でも、運動量の総和が保存されることを確認する。
3の場合、反発用バネがスムーズに出てまっすぐ当たることを前もって確かめておく。
木槌で反発装置のストッパーを軽く打つと両方の台車が飛び出す。両台車がそれぞれ車止めにあたる衝突音を聞き、同時に聞こえるように台車のスタートの位置を調節する。この際ビニールテープ等でマークをつければ調整しやすい。
使用後ゆるんでいるネジなどがないかを確認してから収納する。
<参考>
衝突させるとき・・・台車AやBにおもりを載せることにより質量をいろいろと変化させ、どのような場合でも、運動量の総和が保存されることを確かめる。Aの質量を 、Bの質量を 、衝突前のAの速度を 、衝突後のAの速度を 、Bの速度をとすれば、
  の関係になる。
  *反発係数eを求めてもよい。
   
結合させるとき・・・台車AやBにおもりを載せることにより質量をいろいろと変化させ、どのような場合でも、運動量の総和が保存されることを確かめる。Aの質量を 、Bの質量を 、結合前のAの速度を 、結合後のA、Bの速度を とすれば、
  の関係になる。
反発させるとき・・・等速度運動の場合、同じ時間の間に動く距離は速さに比例するから、同じ時間の間に動いた距離を速さの比とみなすことができる。
台車AやBにおもりを載せることにより質量をいろいろと変化させると、どのような場合でも、AとBの反発後の運動量の大きさが等しいことを確かめる。(反発前は静止であるから、運動量は0となる。反発後は大きさが等しく向きが逆であるから、運動量の総和は0となる。)
Aの質量をm1、Bの質量をm2、反発後のAの移動距離を1、Bの移動距離を2、反発後のAの速度をv1、Bの速度をv2とすれば、
    よりの関係になる。