9.力学的エネルギー保存の法則

[目的]摩擦などの力が働かないときは、力学的エネルギー(運動エネルギーと位置エネルギーの和)が常に一定であることを、重力場でおもりを振らしたり飛ばしたりすることにより確かめてみる。
a.おもりを振らして速さを求める方法
[準備]おもり つり糸 しつけ糸 巻尺 記録タイマー・テープ ライター 
[操作]
1) 図のH〔m〕と H′〔m〕をはかりh〔m〕を求める。
天井から吊り下げてする方法
2)タイマーを始動させてからライターでしつけ糸を焼き切る。
3)紙テープの打点を分析し、おもりが最下点を通るときの速さ〔m/s〕を求め、
が成り立っていることを確かめる。
 
 
[留意点・工夫点] 
おもりは100g程度が適当。
しつけ糸は輪にする。
質量m〔kg〕をはかったおもりに、タイマーに通した紙テープをセロテープでつける。
おもりにつり糸をつけ、つり糸の他端を天井に固定したフック又はスタンドを高くしたものに結ぶ。おもりをつり下げ、紙テープが水平になるようにタイマーの高さを調節する。
この状態で、タイマーを短時間はたらかせ、その打点に丸印をつけておく。
 
b.おもりの飛んだ距離を測定する方法
[準備]金属球 スタンド(2台) 目玉クリップ かみそり 板 ものさし カーボン紙 白紙
糸 ライター
[操作]
1)金属球を吊り下げたときの最下の点Cと、高さ〔m〕を求める。
2)金属球を図のAの位置にしつけ糸で固定し、高さ〔m〕を求める。
3)しつけ糸をライターで焼き切り、金属球の飛距離χ〔m〕を求める。

ゆえに
 〔m/s〕
また、B点からは初速度〔m/s〕の水平投射となるので、B点からP点に達するまでの時間
 t〔s〕は、より、t=〔s〕したがって、落下地点までの水平距離
〔m〕は、〔m〕が成り立っていることを確かめる。
[留意点・工夫点]
金属球は100g程度が適当。
クリップの代わりに溝を付けたアクリル板を使用すると糸がずれない。
金属球をアクリル板にセロテープで仮止めし、図のようにアクリル板の溝が鉛直になるように調整する。
床を傷つけないために板を置くとよい。床から金属球の高さを測るときは、板の厚さを考慮すること。
カミソリの刃の方向は、金属球の運動する向きに対して、斜めになるようにする(30°程度がよい)。金属球の運動する向きと刃を直角にすると、糸は切れないことが多い。
カミソリの刃は、力学スタンドのはさみでしっかりとはさんでおくこと。おもりがやってきてカミソリの刃が外れて飛ぶと危険である。
力学スタンドが揺れるとよい結果が得られない。力学スタンドの台の上に、5〜10kgのおもりを載せるとよい。
金属球に糸をとりつける工夫