8.運動エネルギー

[目的]運動している物体が止まるまでにする仕事と、物体の速さとの関係を調べる。
a.ものさしのへこみで測定
[準備]力学台車 記録タイマー・テープ ものさし 厚めの本 おもり メジャー
[操作]
1)台車を走らせ、ものさしに衝突させる。
2)台車におもりを載せて同様におこなう。
[留意点・工夫点]
記録テープは、台車がものさしに触れたとき、記録タイマーから抜ける長さにしておく。
おもりは台車の質量の2倍、3倍になるように準備する。前もって台車の質量を1kgに調整しておくとよい。
ものさしは摩擦が一定になるものがよい。形が左右対称で、目盛りが左右についているものを選ぶ。目盛りが左右にあると、ものさしを差し込む位置をきめやすい。表面の汚れは、よくとっておく。
ものさしの長さは、本より少しはみ出すものが摩擦による誤差が少なくてよい。
はさみ込む本は写真等のつるつるした面がある物や厚めのカタログ本がよい。教科書も数があるので条件がそろう。
ものさしとおもし用の本との間にすき間があると摩擦力が一定にならず、データに差が出る場合がある。すき間がないようにぴったり押さえる。おもしが軽すぎてもだめである。
台車とものさしと本はまっすぐに並べ、台車は、ものさしにまっすぐ当てること。(ステンレス製のものさしで先に丸みのあるものは、丸みの方を当てる方がよい。)
本を手で上から押さえてはならない。
 
b.物体の移動距離で測定
[準備]力学台車 記録タイマー・テープ 物体 おもり
[操作]
 
1)台車を手で押しはなして物体に衝突させ、物体が台車とともに静止するまでの移動距離を測る。
2)台車にのせるおもりの質量を変えて同様におこなう。
[留意点・工夫点]
台車にテープを付けないで、何回か手で押しはなして、うまく衝突させる練習をする。
記録テープができるだけ短くてよいように工夫する。
台車が物体と衝突してはね返らないように、力学台車の衝突面に画びょうを貼りつけておくとよい。マジックテープでもよい。
衝突させる物体は木片がよい。摩擦を少なくするために木片の回りにガムテープ等を貼りすべりをよくする。
手で押すかわりに、斜面を利用する実験方法もある(右図)。
<参考>
 運動している物体が止まるまでにする仕事は、その物体の質量に比例する。