5. 運動の法則

[目的]物体に一定の力を加え続けたとき、生じる加速度aと力の大きさFの関係および加速度aと物体の質量mの関係を調べる。これより、運動の第2法則F=maを理解する。
[準備]台車 記録タイマー・テープ メジャー おもり 物さしとゴムひも おもりと滑車 斜面
[操作]
 a ) 物差しを固定しゴムひもを手で引く
 
 b ) 物差しを押してゴムひもを伸ばす
 
 c ) おもりで引く
 
 d ) 斜面を利用する
 
1)記録タイマー用テープの打点を測定し、グラフより加速度aと力Fの関係を調べる。
2)a)、b)では、台車におもりを載せて同様の操作を行い、加速度aと質量mの関係を調べる。
[留意点・工夫点]
1より、加速度aの大きさは加えた力Fの大きさに比例することがわかる。a ∝F
2より、加速度aの大きさは質量mに反比例することがわかる。a ∝1/m
加える力を一定にするために、a)、b)、c)、d)の方法がある。
ものさしにゴムひもの自然長の印を付けておく。
台車の操作は数回練習してから記録をとる。ゴムを用いる場合は、ゴムの伸びが一定になるよう引っ張る。
ゴムひもは本数を増やしたり、長さを変えたりして加える力を調節できる。
c)では使用するおもりはすべてあらかじめ台車に載せておく。(台車+おもり)+下げるおもりの重さが全体で常に一定であれば、下げるおもりを倍にするとき加速度も倍になる。
ゴムひも、糸、台車、テープ等は上から見て一直線になるようにする。
糸が水平になるよう滑車の高さを調整する。
d)は斜面では加える力Fが重力の分力になる事を理解する必要がある。F=mgsinθ〔N〕
力学台車について
台車は落とさない。保管の時は、裏向けに置く等転がらないようにする。
車輪止めネジがゆるんだ場合は、車輪がスムーズに回るようにバランスよくしめる。回転が悪ければ、油をさす。
台車自体の質量はおおむね1kgになっている。台車が軽い場合は裏に釣りのおもり用鉛板や小さい砂袋等を貼り付けて調節する。
旧型の台車の車輪部分は別途購入できる。
台車が机から落ちないようにするために、発砲スチロールやスポンジに粘着テープを巻いたものや4cm四方位の木片にゴム板を接着させたものをクランプで固定し車止めとする。カタログなどの厚い本を重ねて使用するとクランプがいらない。
おもりについて
台車に載せるおもりは、砂利や砂をビニール袋に入れ、さらにデニムの布袋に入れて包んだり、レンガを丈夫な紙で包んだりしたものを使う。また、1kgに切った鋼板を使うと市販の金属板のおもりより安価である。
台車のおもりが落ちないように、ゴムベルトの両端にマジックテープを縫い付け固定する。
教科書をおもりにする。一定質量のおもりで班の人数分まで増やすことができる。
記録タイマーについては「歩行運動」参照。
市販されている速度測定器(商品名「ビースピ」)を使うと、簡単に速度が測定できる。