![]() |
兵庫県立歴史博物館 館長 藪田 貫 |
作業所はりまっ子歴史博物館店にて 2018年9月15日 |
『神戸新聞』の看板記事として40年近く読者に親しまれている夕刊(夕刊がない地域は翌日朝刊)一面記事、「随想」の執筆陣として参画する機会がありました。5月に始まり、8月に終わるシリーズで、詩人の高橋順子さんやチベット生まれの声楽家バイマーヤンジンさんたちを含む11名の執筆者の一人として、8回、連載させてもらったのです。さすがに一面、届いた紙面の中から記事を探す必要がなく、目に飛び込んできます。それだけに、いやが上にも読者の目に晒されるエッセイです。しかも前日や翌日の「随想」と比較されること疑いなし。適度な緊張感が3ヶ月、続きました。
わたしの場合、掲載された随想のタイトルは、下記の通りです。
5月8日 終わった人
5月23日 新緑の縁側
6月7日 アナゴ丼とカレーライス
6月22日 ビールビールビール
7月9日 米朝師匠と「道徳」
7月25日 女のいない世の中なんて
8月9日 ひと夏の思い出
8月24日 楽ヲ以テ憂ヲ忘レル
3ヶ月にわたるので季節感も考え、また最近のことと少し前のことを織り交ぜて書いたのですが、松岡健文化部長の鮮やかな校閲を経て、無事、大役を果たすことが出来ました。いい経験になったと喜んでいます。松岡部長に、お礼を申し上げます。
もちろん読後の感想が直接、間接にわたしの許に届きましたが、目に見える形で反響が届いたのは「アナゴ丼とカレーライス」でした。それは、いつも昼食をとっている館内施設「作業所はりまっ子歴史博物館店」で起きた珍事―注文した品(アナゴ丼)と出された品(カレーライス)が違っていたことから生まれた国際交流の一コマを描いたモノでしたが、掲載後、その記事を読んで「はりまっ子」に来られた方が2組もあったそうです。「はりまっ子」で働くスタッフから教えられた情報ですが、さすがに新聞一面の偉力です。
ということで今月の「館長室へようこそ」には、NPO法人はりま福祉会が運営する就労継続支援B型事業所「作業所はりまっ子歴史博物館店」のスタッフに囲まれた写真を掲載します。勤務歴9年になる青年から2年の婦人までの多彩な顔ぶれを、窓越しの姫路城とともにご覧下さい。
|