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兵庫県立歴史博物館 館長 藪田 貫
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博物館と「ゆるキャラ」 2016年10月15日 |
9月末、久しぶりに彦根城に行く機会がありました。午後でしたが、訪問した彦根城博物館ではちょうど「ひこにゃん」のお披露目の時間だという案内があり、同行した大学院生たちと参加しました。幸い平日で整理券が出るほどの観光客でなく、書院を形どった博物館の会場に入り、思い思いに腰を据えて「ひこにゃん」の登場を待ちました。
やがて扉の隙間を、身体を横にして(正面向きでははみ出る)「ひこにゃん」が登場、舞台の中央に立ちます。それから約30分の間、「ひこにゃん」は一芸を見せてくれるのですが、ゆるーい所作で歩を進め、身体をひねり、木刀を持って構える、という所作すべてが緩いのです。まさに、ゆるキャラです。その緩さがまた、かわいさの根源でもあるなと考えている間に30分が過ぎました。「先生、最後まで見てはりましたね」と学生には呆れられた次第。
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その後、10月1日・2日と神戸ハーバーランド・スペースシアターで開催した「ひょうごミュージアムフェア2016」で、再びゆるキャラと出会いこととなりましたが、こちらははばタン、カーモ、ほしまる君、モリン君、マナビーの5体が登場し、年に一度の博物館の祭典を盛り上げてくれました。日頃、県内それぞれの場所で活動する博物館が一堂に会して、親子を対象にワークショップを開催するフェアには1日1000名、2日2200名の参加がありましたが、彼らゆるキャラの集客力も大きいことでしょう。
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会場自体が人の熱気に溢れ、ゆるキャラの中に入っている人にはさぞ暑く、不自由な時間だったでしょうが、ふだん見ることのない、ゆるーいキャラクターの魅力を彦根と神戸で発見しました。ゆるキャラに感謝。