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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 藪田 貫
【プロフィール】
 2014年4月1日に、端信行前館長の後任として歴史博物館長に就任しました藪田 貫です。端館長とは年齢は違いますが、大阪生まれ、京都橘女子大学教授を勤めたことなど共通点があり、初対面の時に話が盛り上りました。
 専門は歴史学、とくに日本近世史(江戸時代史)の社会史・女性史です。大阪大学大学院修士課程を終え、大阪大学助手・京都橘女子大学助教授を経て、1990年から関西大学文学部教授を勤めており、今年1年は、館長との兼務となります。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

  特別展「災害と歴史遺産―被災文化財等レスキューの20年―」閉幕  2015年3月15日

  11日朝の新聞・テレビでは、東日本大震災とその後の復興が大きく取り上げられていました。日々忘れていくなかで、改めて、大災害の生々しさが蘇ってきます。

 2010年3月11日の午後2時46分のその時、じつは、わたしは日本にいませんでした。というよりも地上にいませんでした。台湾に向かう飛行機に乗っていました。桃園国際飛行場に降り立ち、出迎えてくれた現地の人から「大丈夫だったか?」と聞かれ、当初、その意味が分からなかったのです。日本で地震があったと言われ、空港内のテレビで映し出される地震と津波の様子を見ることで、やっと納得。その後、東京電力第一発電所原子炉のメルトダウンが報じられた時には、異国の地で、背筋が寒くなる印象を持ちました。

 その後、日本に帰国し、感覚の時間差は消えていきましたが、被害の状況は、報じられる度に、拡大の一途を辿ったのは言うまでもありません。それから4年という歳月が経ったということになります。

 この4年間の間に実際にあったことで、新聞やテレビが力を入れて報じてこなかったのが、今回の展示「災害と歴史遺産」で取り上げられた文化財レスキューだったのではないでしょうか?まず人命救助、ついで復興という段階を経て、人々の意識が文化財に向かったという瞬間をとらえての展示は、ある意味、いいタイミングであったと思います。

最終日の15日午後、熱心に見学される方が多数、おられましたが、わたしの注目したのは、展示コーナーの最後に張られた感想文です。七夕の短冊よろしく書き込まれたシールは100枚を超え、一枚一枚に思わず引き込まれました。その中からいくつかを引用します。

  

 大勢の人々のご苦労がよく分かりました。記憶の継承の大切さを認識しました。

 忘れてはいけないと思いました。Thank you for all the efforts

  

   
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