![]() |
兵庫県立歴史博物館 館長 藪田 貫
|
クリスマス前夜 2014年12月15日 |
「師走」という言葉は、なにかしら慌ただしい歳末の雰囲気をよく表現しています。寒さがまし、冬至に向けて日没が早くなって来ていることも、慌ただしさを醸し出していると思います。レキハクを出る頃にはすでに夕闇の中。バスを待つ間の停留所からは、赤煉瓦の美術館の向こうにライトアップされた姫路城が浮かんでいます。冬ならではの味わいです。
夜の闇が早く、深い分、この時期、明かりが美しさをまします。神戸では、震災復興を記念して始まったルミナリエが連日、賑わっていますが、先日、帰路に立ち寄った大阪駅でも、イルミネーションが輝いていました。白や金色、青色のイルミネーションを見上げていると、クリスマスの近づいてきたことが実感されます。
そこで、姫路市香寺にある日本玩具博物館で開かれている開館40周年記念展「世界クリスマス紀行」に出かけました。かつてヨーロッパ滞在中に、ケルンのクリスマスマーケットで遊んだ思い出があったので、送られてきたパンフレットを見ると無性に懐かしくなったのです。見慣れている北アメリカやドイツのクリスマスのほか、イタリアやポルトガル、中南米のクリスマスなど、これまで見たことのない世界のさまざまなクリスマスが、玩具やオーナメントを通じて一望できる内容の濃さに圧倒されました。その中でもわたしの一番の気に入りは、身の回りにある素材を丁寧に編み上げて作られた、麦わら細工の光のオーナメントです。雪の結晶のようで、聖夜を祝うにふさわしい作品です。
12月7日、わたしも歴はく倶楽部の行事でオーナメントを作りました。シデ松の松笠で作ったクリスマスツリーです(写真)。久しぶりにクリスマスが楽しみです。
![]() |