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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 端 信行
【プロフィール】
 私は2002年から、兵庫県立歴史博物館で館長をつとめています。
 大阪府に生まれました。専門は文化人類学と比較文明論です。京都大学文学部を経て、1974年に国立民族学博物館助教授となり、1992年からは同館の教授を、2001〜2007年には、京都橘大学で教授をつとめました。
 
 ※端館長は2014年3月末日に退任し、現在は名誉館長です。このページは過去ページを表示しています。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

 夏の終わりに 2011年9月15日

 猛暑、節電に明け暮れた夏も過ぎたかと思えば、まだまだ厳しい残暑がつづいています。 そんななか、9月11日には東日本大震災からちょうど半年がたった。東日本大震災は被災地が広大で、地域差も大きく、復興の足並みがなかなか揃わないようにみえる。行政はとかく公平に、平等に、そして画一的に働く傾向があるが、これは平時には有効かも知れないが、大震災後の復興という非常時にはかえって足かせになっているようにみうけられる。新内閣には、地域の特性を見つめ、創造性にみちた復興支援をめざしてほしいものだ。

 奇しくも、この9月11日は、ニューヨークのツウィンビルのテロ破壊から10年目にあたるという。この6月には、首謀者ともくされたR氏の暗殺もあった。多くの犠牲者をだしたこのテロ破壊以後、普通に暮らす人びとの安全そのものが大きな政治的社会的課題になったという。

 普通に暮らす人びとの安全が政治的社会的課題という意味では、大震災もテロ破壊もまったくおなじである。現代文明は、人びとの安全を組み込んだ、あたらしいシステムを構築しなければならない。土石流災害もおなじことであろう。なかなか終焉しない夏日のなかで、もの思うことがおおいこの頃である。

   
 
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