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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 端 信行
【プロフィール】
 私は2002年から、兵庫県立歴史博物館で館長をつとめています。
 大阪府に生まれました。専門は文化人類学と比較文明論です。京都大学文学部を経て、1974年に国立民族学博物館助教授となり、1992年からは同館の教授を、2001〜2007年には、京都橘大学で教授をつとめました。
 
 ※端館長は2014年3月末日に退任し、現在は名誉館長です。このページは過去ページを表示しています。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

 この一年をふりかえって 2010年12月15日

 早いもので、平成22年もあと半月を残すばかりとなりました。皆さまは、この一年つよく印象に残っているのはどのようなことでしょうか。


 わたしは、この10月に名古屋で開催されましたCOP10、生物多様性の保護をめぐる国際会議がつよく印象に残っています。といいますのも、わたしたちが取り組んでいる歴史文化(遺産)と非常によく似ているからです。生き物の場合は、環境の変化・悪化によって希少種や絶滅種などの増加が危惧され、その生物だけを保護しても意味がなく、それらが生きる環境全体を<生態系>として保護しようという考え方です。

 歴史文化の場合も同じことなのです。博物館にはたくさんの資料が収集保存されています。それらの資料1点1点も大切なのですが、それと同時に、それらの資料がつくられたり使われたりした過去の環境、つまり文化をあきらかにし保護することが重要なのです。資料だけが大切なのではなく、資料を生み出した文化こそ大切なのですね。

 当館では、平成23年を迎えると、すぐに8日(土)から特別企画展『姫路 今むかし』を開催します。姫路のまちの文化がどのようにかわってきたのか、1点1点の貴重な資料を鑑賞するだけでなく、それらが今につたえる‘まちの文化’に思いをいたすのも興味深いのではないでしょうか。


 この一年、いろいろなかたちで歴博を支援・応援してくださった県民の皆さまにこころより御礼申しあげます。皆さま、よいお年をお迎えください。

   
 
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