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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 端 信行
【プロフィール】
 私は2002年から、兵庫県立歴史博物館で館長をつとめています。
 大阪府に生まれました。専門は文化人類学と比較文明論です。京都大学文学部を経て、1974年に国立民族学博物館助教授となり、1992年からは同館の教授を、2001〜2007年には、京都橘大学で教授をつとめました。
 
 ※端館長は2014年3月末日に退任し、現在は名誉館長です。このページは過去ページを表示しています。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

 「ちいさきもの」の超美意識に驚嘆 2010年2月15日

 当館では、現在、特別企画展『ミニチュアの世界−小林礫斎と手のひらの宇宙』を開催しています。皆さま、もうすでにご覧いただきましたか?

 いやはや、かく言うわたくしもこれまでいろいろな展覧会を観てきましたが、小林礫斎の作品を観るのははじめてです。普通、ミニチュアと言えば、ひな祭りのお飾りに使われるおもちゃの調度品や建物の建築模型などを思い浮かべるのですが、小林のそれはそんなものではない。それは顕微鏡的な「ちいささ」である。どのように作製するのかがちょっと謎である。その謎が意味不明の不安感を抱かせる。

 この感覚をどう表現すればよいのか、いささかことばに苦しむ。通常であれば、こうした工芸作品はその作者の美意識に支配されている。しかし、この小林の作品はそれをも超えている。美意識はむしろ注文者である中田の方にあるのかも知れない。これらの作品をじっと観ていると、何か不思議な世界に入り込むような錯覚に襲われる。皆さまも是非、一度お試しください。これはおすすめです。


   
 
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